現金での決済比率が高い日本は、キャッシュレス化の分野で海外に後れを取っている。この課題を解決する上で、決済インフラの中核を成す銀行はどんな役割を果たすのか。4月に全国銀行協会(全銀協)の会長に就任した、藤原弘治・みずほ銀行頭取に話を聞いた。

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──IT企業やフィンテック(金融とITの融合)企業が事業参入し、キャッシュレス決済を広げようとする動きが活性化していますが、この動きをどう見ていますか。

 全銀協は、キャッシュレス決済に取り組む銀行を後押しします。

 現在、決済全体に占めるキャッシュレスの比率は2割ほどです。政府も「未来投資戦略」において、2027年6月までにこの数字を4割にすると示しており、官民一体で進める重要なテーマです。

 キャッシュレス決済は、消費者の利便性に加えて、小売りや外食産業、そして金融業界の生産性も向上させます。特に生産性の向上という面では、約8兆円が掛かっている現金の取り扱いコストを半減できるという試算もあります。

 これからは、新しい参入者と銀行が共同でサービスをつくるという発想が必要です。20年の東京オリンピック・パラリンピックで海外からの旅行者に利便性を提示し、日本の決済インフラの先進性を世界に発信できるように、キャッシュレス化を推進します。

──支払い時に、QRコードをスマートフォンで読み込み決済する方法を広めるため、メガバンクを中心にQRコードの規格を統一する話も出ています。これも全銀協で議論するテーマでしょうか。