昔、夢見た幸せな家庭はどこへ――。日々の生活に希望を見出すことができず、「人生をもう一度やり直したい」と考える男性諸氏は、世の中に少なくないでしょう。そんな人たちに向け、離婚について妻に先んじて知っておけば損をしない心得をまとめました。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

「家庭は毎年、右肩上がり」
多くの場合、それは男の幻想

日々の生活に希望を見出すことができず、「人生をもう一度やり直したい」と考える男性諸氏は多い。それを実現するためには妻の説得が必要だ(写真はイメージです)

 突然ですが、質問です。

 あなたは若い頃、こんなにふうに思っていませんでしたか? 年をとればとるほど人生はどんどん充実するに違いない。着々と人生経験を積んで、次々と家族や仲間が増え、バリバリと仕事で活躍し、毎年のように生活が「右肩上がり」で進んでいくはずだと。

 ところで、今のあなたはどうでしょうか?

 察するに、年を食えば食うほどガチガチに束縛され、ネチネチと監視され、もし本音を口にしようものならギュウギュウに吊るし上げられる……そんなふうにほとんど自由のない日々を強いられているのでは?

 例えば、あなたの子どもが中学生や高校生なら、ちょうど入用が増えるお年頃。塾や習い事、予備校や受験など、なけなしの貯金を切り崩して費用を捻出することでしょう。そんなあなたの苦労は報われるでしょうか?残念ながら、子どもは反抗期なので親子の間にまともな会話はなく、感謝されるどころか、むしろ話しかけても無視されたり、逃げられたり、揚句の果てには、怒り出したりする始末。

 また、あなたに2人目、3人目の子どもが産まれて家が手狭になったり、子どもが「自分の部屋が欲しい」と言い出したり、不動産業者の営業マンに「家賃と同じ金額で『一刻一城の主』ですよ」と甘い言葉で勧誘されて、念願のマイホームを手に入れたとしても、定年まで重くのしかかる住宅ローンに加え、固定資産税、管理費などをせっせと払うのは気が遠くなる話です。それなのに、あなたの苦労が報われるでしょうか?借家から持ち家に変わったところで、「父の威厳」「夫のメンツ」がいきなり回復することはなく、あなたのパンツだけが家族とは別に洗濯されるという日々に変わりはありません。

 さらに、年老いた両親のことが心配になる頃合いですが、自宅が二世帯住宅で両親と同居していれば介護は不可避です。離れて暮らしていても「金の無心」をしてくるかもしれませんし、援助を断わろうものなら大変。「誰が産んでやったと思っているの!あんたなんか産むんじゃなかったわ」など2倍3倍にして、やり返してくるのです。

 結局、休日にアルバイトをしたり、副業をしたり、FX投資などで小金をつくって、毎月、両親の口座にせっせと振り込むわけですが、そんなあなたの苦労が報われるでしょうか?両親からはおそらく「ありがとう」の一言もなく、「もらって当然」とばかりにふてぶてしい態度をとられるのです。