セコムは1992年に中国に進出。現在は25都市に拠点を置き、法人向けの警備をしている 写真提供:セコム

 日系ITベンダーが苦戦してきた中国のセキュリティー市場に国内警備最大手、セコムが風穴を開けようとしている。テクノロジーを駆使した警備で培った“ソフトの力”を武器に住宅向け警備事業を拡大する。

 冷蔵庫や空調などを統合制御する「スマートホーム・システム」を手掛ける中国家電大手、ハイアールがセコムに提携を打診。同システムに付加する、中国での警備サービスの開発、提供で連携した。

 ハイアールが評価した“ソフトの力”とは、監視カメラやセンサーで収集したデータから異変を察知すると、警備員が急行するノウハウと人員体制のことだ。

 実はセコムは画像解析のソフトウエアを自社で開発している。セコムIS研究所の目﨑祐史所長は「多様な環境で安定的に使えるという意味でナンバーワン。他社製は誤報が多く、使えるレベルにない」と言い切る。

 監視対象が暗かったり、虫が飛んでいたりすると問題の有無を判断しづらい。そうした環境で正確に状況を把握するこつは「警備をしている会社でないと分からない」と上田理執行役員。映像を見て警備員を急行させ、“誤判定”だった場合、警備員から非難の声が上がる。セコムはこうした失敗を生かして技術を進化させてきた。

 ハイアールは中国で2020年ごろから、年間6万~7万戸に家電の統合制御システムを納入する見込み。セコムはこのうち毎年1万~2万戸と契約し、日本と同水準の1戸当たり月額6000~7000円の警備料を得たい考えだ。