これまでにない大規模なオフィスビルや、社員の働きやすさに配慮したクオリティの高いオフィスビルが次々に建設されている。少子高齢化とともに人材難がますます深刻化する今日、働きやすいオフィスの確保は、企業にとって重要な戦略の1つとなりつつある。

ABWを考慮したオフィスの供給が増加

日本オフィス学会会長
松岡総合研究所 代表取締役
松岡利昌氏

1959年生まれ。経営コンサルタント。慶應義塾大学卒業。米国ハーバード大学留学を経て、慶應義塾大学大学院修士課程修了(MBA取得)。外資系コンサルタント会社を経て91年に独立。企業経営戦略の視点による「日本的ファシリティマネジメントコンサルティングサービス」を行っている。京都工芸繊維大学大学院特任准教授

 いま東京都心では、かつてないほど大規模でクオリティも非常に高いオフィスビルの供給が活発化しているという。「この動きは、少なくとも東京オリンピック・パラリンピックが開催される、2020年前後までは続く見込みです」と語るのは、日本オフィス学会会長の松岡利昌氏である。

 松岡氏によると、床面積が1000坪を超える「メガプレート」と呼ばれる大規模オフィスビルだけで30棟以上、1000坪未満の大規模ビルも含めると60棟近くが建設される予定だ。

 1000坪といえば、床の幅と奥行きはそれぞれ数十mから100m前後にもなる。狭いオフィスに慣れた日本人には想像を超える広さだが、「ターゲットは東京本社の社員数が1000人を超える優良大企業など。こうした企業が今、賃料コスト圧縮を目的に、都内に分散していたオフィスを集約するための移転を始めています」と松岡氏は話す。

 メガプレートは単に規模が大きいだけでなく、フリーアドレス化や社員同士のコミュニティスペースの充実など、ABW(Activity Based Working。時間と場所を自由に選択できる働き方)を考慮したデザインを兼ね備えているのが一般的。現在多くの企業が取り組んでいる〝働き方改革〟にマッチしたオフィスの在り方といえそうだ。