朝から夕方まで激混み

錦市場 外国人観光客 中国人400年の歴史を持つ錦市場、伊藤若冲の生家もここで青物問屋を営んでいた Photo by Konatsu Himeda

「商店街」もまた日本の固有文化の一つだ。日本全国には1万4655(2015年度、中小企業庁)にものぼる商店街があるが、京都のど真ん中にある「錦市場」は、今や世界から観光客が殺到する商店街だ。

 全長390メートル、道幅3.3メートルの狭く細長い商店街は、別名“京の台所”。魚や野菜などの生鮮食品や、豆腐、湯葉、漬物などの日配品を売る店が100件以上も軒を連ねる。

 朝10時、すでにこの錦市場には、中国人を始めとするアジア系の観光客が「食べ歩き」を楽しんでいた。「錦市場で朝食を」は、今や外国人客にとっての楽しみの一つのようだ。商店街のシャッターが上がりきる昼頃には、前に進めないほどの混みようになる。

 夕方、再び訪れてみると、もはや立錐の余地もないほどの人出となっていた。民泊利用の観光客が、ここで買い込んだ食材を調理するというのが、最近の旅のスタイルだとか。視界に入る客の9割以上が外国人客だ。

想定外の事態に賛否両論

 だが、客層の大半が外国人化する錦市場のありようには賛否両論ある。本来は地元客を相手にした食品専門の商店街だった錦市場にとって、外国人客のこれほどまでの増加は想定外の展開だ。