2011年のココカラファイン(神奈川県横浜市、塚本厚志社長)の事業展開は、6月にグループの販売会社セイジョーの北海道・旭川への出店を皮切りに、8月には調剤事業を展開するメディカルインデックスを、10月には道内小樽市を中心にDgSと調剤事業を展開する、スズラン薬局を子会社化、同社の12年3月期末店舗数は、買収したスズラン薬局を含む新規出店が74店舗(うち調剤23店舗)、閉店30店舗(うち調剤14店舗)、合計1128店舗(うち調剤219店舗)となる予定だ。

 また、12月には東京都府中市でリハビリ特化型デイサービスと訪問看護事業を展開する、リハワークスを子会社化。介護事業でのノウハウ蓄積と事業展開領域の拡大を進めた。

 ココカラファインでは、中期計画において16年3月期売上高5000億円、経常利益200億円の達成を掲げている。この中期目標達成に向け、同社では、1.コア事業であるDgS事業と調剤事業の収益基盤の増強、2.地域医療との連携強化、3.グループ運営体制の強化、4.新規事業開発を柱とする、4つの事業展開を進めていくとしている。

 DgS事業および調剤事業については、売上高5000億円へ向け、出店拡大による店舗網の充実を図る。新規出店計画は13年3月期/80店舗、14年3月期/100店舗、15年3月期/120店舗を予定する。

 地域医療との連携では、生活者のあらゆるライフシーンにアプローチし、ライフスタイルをトータルでサポートするビジネス展開を想定する。DgS、調剤、介護、訪問看護、疾病予防にあたるチェックシステムなどを活用し、地域の病院やクリニックなどとの連携を図るとする。

 グループ運営体制では、おもにシステム統一への動きと人材教育充実の動きを活発化させている。11年3月期にスタートした基幹システムの統一化については、販売会社4社のシステム統一と今後の事業領域拡大を想定している。物流センター稼働による物流最適化もシステム開発と同時並行で進んでおり、いずれも14年3月期での完成をめざす。

 人材教育では、グループから最大500人のスペシャリストが集合する学術大会を5月に開催するほか、階層別の次世代教育として、グループから最大200人の幹部候補を集め、経営マネジメント研修を実施する。グループ統合前の制度が残り、販売会社で異なっていた人事制度も、統一制度が13年4月には運用がスタートする予定で、人材流動化と組織活性化を図る。

 MD面では、政策商品と位置づける推奨販売商品の売上高の好調さが目立った。直近10月から12月数値では、「おもてなし重点品」が前年比132.5%、「CF定番品」が同136.4%、「PB商品」が同104.8%と、全体の売上高推移と比較し、きわめて高かった。1日だけ販売する「One day企画」では、「ユンケル顆粒」「Lifter」など、わずか1日で1カ月分に相当する売上高を記録する商品が続出。「坂本黒酢」106日分に相当する売上高を記録。新商品では「リガオス」「プリマビスタ」などが3カ月間でいずれも1億円以上の売上高を計上したという。

 ココカラファインでは、年間粗利益高2億円以上の商品育成をめざす。すでに6ブランドがそれに相当するといい、今後も企画連動による政策商品の育成を進めるとしている。

 さらに、システムおよび人事制度の統一に合わせ、課題だった販社の統合を実現する。事業展開のスピードをアップし、中期計画達成とさらなる事業拡大をめざす。


●「ドラッグストアニュース」4月号 好評発売中!

●小売・サービス・流通業界がわかるビジネス情報サイト DFオンライン