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“超速い焼きそば”から“スポーツようかん”まで
人知れず進化を続ける「コンビニフード」の棚事情

工藤 渉
2012年4月5日
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 プレスリリースを眺めていると「食品・飲料」だけでもかなりの数に上り、目が回る。毎月数多くの新製品が発売され、その多くが人知れず消えていくことになるのだ。それを念頭に、コンビニで出会うことのできるこの1ヵ月の新製品を見ていこう。

 まず明星食品がこの4月に発売するカップ焼そば「明星 チョッパヤ ソース焼そば」。一番のウリは熱湯を入れて1分で食べられるという点だ。さらなる時間短縮に驚いたが、調べてみると1980年代にも1分ででき上がるカップめんは存在した。

 ただし速くできる分、速く伸びる。食べている間に伸びてしまうのが不評で、定着しなかった。その欠点を克服したこの製品ではあるが、4~5分待つカップめんも普通に食されている現状を鑑みると、時間短縮へのニーズはさほどないようにも思える。だが、味が従来の製品と同レベルなら速く食べられる方を選ぶ人が多いはず。ここは味に注目だ。

 続いては、3月下旬に発売の井村屋「スポーツようかん」。マラソンや登山人口の増加に目をつけたという。1本(60g)でごはん約1杯分(171kcal)の高カロリーを摂取可能で、発汗への対策として塩分を通常の5倍使用している。

 確かに、ようかんはチョコレートなどと並び非常食に適しているとされ、登山に持ち歩く人も多かった。ならば、「スポーツ」を掲げた製品を、和製エナジーバーとして定着させようとの目論見は全くもって正しい。高カロリー、塩分多めという欠点も、この場合は長所になるのだ。

 すでに市場に出回っているアサヒビール「ドライゼロ」は、ノンアルコールビールの新製品だ。麦汁を使わず水あめなどの糖類を中心に味つけすることで、かえって本物のビールに近づいたという。この3年で10倍になった市場に出遅れた同社にとって、巻き返しのきっかけとなるか。

 他には、お湯をかけて30秒のフリーズドライのカレー、グリコ「カレーポット」が、レトルトより手軽で味もよく、注目である。多くの人が驚き、ライフスタイルにも影響を与えたカップめん級の「発明」は、10年に一度あるかないかだ。

 新製品のほとんどは、ちょっとした工夫や発想の転換で成立している。発売に至るまでの労力を考えると、「ちょっとした」で片付けては申し訳ない工夫の数々が、現在も各所で進行中なのだ。

(工藤 渉/5時から作家塾(R)


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