小池都知事 都庁で定例会見「インパール百合子」と呼ばれて Photo:Rodrigo Reyes Marin/Aflo

昨年の衆院選で大敗を喫して以来、小池百合子東京都知事が再び注目を集めるきっかけになったのは、皮肉にも豊洲市場の千客万来施設をめぐる協議の混乱だった。その原因を探るとやはり、小池知事自身に行きつくことになる。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

 もはや、手の施しようはなさそうだ――。

 豊洲市場の「千客万来施設」をめぐる東京都と運営会社・万葉倶楽部との協議が暗礁に乗り上げた。解決策は、もはや見出せまい。

 千客万来施設とは、豊洲市場に隣り合う場所で計画された、温泉やホテル、商業店舗などから成る複合施設だ。築地からの市場移転を江東区が受け入れるにあたり、地元の賑わいを生み出す機能を求めた経緯がある。

 豊洲への移転後、築地市場跡地は民間に売却される計画だったが、小池百合子東京都知事は昨年6月、「築地は守る、豊洲は活かす」と述べて、築地跡地を売却せずに都が保有し続け、再開発して民間に貸し出し、地代収入を得る方針に変更した。再開発後の姿として「食のテーマパーク」を掲げた。

 これに万葉側が、自社の計画と競合するとして反発。小池知事に対して方針転換の撤回と謝罪を求めている。

 ただ、本誌が従来指摘している通り、小池流の「築地・豊洲両立案」なるもの自体がそもそも“欠陥品”なのだ。