近年、若い女性の間でも増加している子宮頸がん。しかし、女子大生の99%は「子宮頸がん」という病気を知っているが、実際に検診を受けた経験のある人は9%、ワクチンを接種した人は7%にとどまることがわかった。ワクチン接種によって一部のウイルス感染を予防できることを知っている女子大生は半数以上の61%に上るにも関わらず、ワクチン接種が進まないのは一体なぜだろうか。

 アンケートは、ダイヤモンド社が運営する大学生向け情報サイト「メンター・ダイヤモンド」が行ったもの。「子宮の日(4月9日)」を前に、2012年1月12日~3月15日までの期間で実施。対象は関東圏内の四年制・短期大学に通う女子学生300人で、記述式で回答を得た。

ACのCMで認知広がるも、
「ワクチン接種」には75%が尻込み

 日本では毎年約1万5000人が子宮頸がんと診断され、20~39歳の女性における10万人あたりのがん発症率は最も高い(子宮頸がん=約33人、乳がん=約15人、参照;2008年人口動態統計、厚生労働省大臣官房統計情報部編)。その原因はほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)という、主に性交渉によって感染するウイルスであることがわかっており、すべての女性の約80%が一生に1度は感染しているとも言われる。ワクチン接種は性交渉経験前が最も効果的とされ、そのため2010年11月からは中学生と高校生の一部を対象に公費助成によるワクチン接種が行われている(性交渉経験後でもワクチンの効果は認められている)。

 今回の調査では、子宮頸がんのワクチン接種において公費助成の対象外である女子大学生に、認知度やワクチン接種率についてアンケート調査を行った。冒頭で触れたように、その認知度は高く、震災後に多く放送されたACジャパンによる公共テレビCMで知った割合は40%にものぼった。

 しかし、「子宮頸がんの検診を今後受けますか?」との問いに「はい」と答えた人は半数以下の46%。さらに、「ワクチン接種には計5万円程度(場合によってそれ以上)の費用が必要ですが、ワクチン接種を行いますか?」という質問に「はい」と答えたのはわずか25%だった。