言葉ではなく「心」を肯定的に変える

 こういう面倒な人と接するのに有効なのが、「言葉ではなく『心』を肯定的に変える」という方法です。

 個人差はありますが、人は誰でも、心と言葉が一致していない事を生理的に見抜く能力を持っています。そのため、たいていの大人は、話し相手の言葉と心が一致していない場合を、「お世辞を言っている」とか「興味がないのだな」と、自分が引き下がる場面と認識します。

 しかし、冒頭で紹介したような迷惑な人々は、「心と言葉が一致しない人は、嘘をつく悪い人間だ」と認識してしまう傾向があります。そのため、不機嫌になったりするのです。ですから、面倒な相手と会話をする時は、必ず心と一致した言葉を使う必要があるのです。

 では、動物に興味がない人がペットの写真を見せられた時、どうするのがいいのか考えてみましょう。

 それは、自分の心を肯定的に動かして、ペットの写真を見ることです。そうすると、「名前は何?」とか、「いつから飼っているの?」という、心から湧いてくる、嘘ではない疑問が思いつくはずです。そして、それをなるべくテンションを上げて相手にぶつければよいのです。

 もちろん、それは動物好きの人と同じぐらい濃いリアクションにはならないと思います。しかし、嘘ではない言葉を発すれば、どんなに厄介な人が相手でも、不機嫌にさせてしまうような悪い事態は避ける事ができるでしょう。