ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ
【第1回】 2012年4月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所

人が、どんどん増える街
様変わりした“人口の増減を左右する要因”

previous page
2
nextpage

外国人に振り回される?
東京の人口動向

 2010年度調査での人口増加率上位区のうち、都心区や江東区は2000~05年の人口増加率も高かった。一方、豊島区は2005年調査時点での順位が下から2番目の22位。同様に足立区も、18位から6位へと一気にランクを上げた。逆に、渋谷区は14位から23位、目黒区は11位から20位へと、こちらは順位を急降下させている(下のグラフ参照)。

 順位が大きく変化した4区のうち、足立区を除く3区には共通した特徴がある。外国人の動向である。

 外国人登録人口のデータによると、東京23区で暮らす外国人は、2005~10年の5年間で18%も増えた。なかでも最大勢力は中国人で、その増加率は35%に及ぶ。これに対し、かつては東京の外国人を代表していた米・英両国人はむしろ減少傾向にある。

 豊島区は、区内の外国人に占める中国人の割合が59%(23区の平均は39%)にのぼり、23区でいちばん高い。特に近年、池袋周辺のチャイナタウン化と呼ばれる中国人の急増が進んでおり、これが豊島区全体の人口を押し上げている。

 一方、米英人の割合が高い渋谷区や目黒区では、過去5年間で渋谷区▲23%、目黒区でも▲12%と米英人が著しく減少したことが、人口低迷の大きな要因となっている。

 東京は良きにつけ、悪しきにつけ、外国人抜きには語れなくなった。その影響は、区の人口動向を左右する力を持つに至っている。

ホットスポットは「下町」

 1軒、1軒の調査が積み重ねられる国勢調査のデータは、区や市というレベルだけでなく、もっと細かなエリア分析も可能となる。その一例を紹介しよう。

 人口増加が著しい中央区。そう聞くと、ウォーターフロントのタワーマンションが思い浮かぶのではないだろうか。しかし、中央区を日本橋エリア、京橋エリア、佃エリアに分けてみると、人口増加率はそれぞれ32%、21%、23%となり、日本橋エリアの伸びが最も大きい。日本橋はわが国有数の問屋集積地だが、流通構造の変化のあおりを受けて、中小の問屋が次々とマンションに建て替わっている。中央区の人口増加は、ウォーターフロントでの大規模な開発より以上に、こうしたミニ再開発の積み重ねが支えている。

 同じく都心の千代田区も、神田エリアの人口増加率15%に対し、麹町エリアは11%と、やはり神田エリアでのミニ再開発の影響が強いことがわかる。

previous page
2
nextpage
特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
underline

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

「国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ」

⇒バックナンバー一覧