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藤沢数希の金融対談日記
【第6回】 2012年4月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤沢数希,藤野英人

VSファンドマネージャー藤野英人氏(2)
AIJ事件「後」はどうあるべきか

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「藤沢数希の金融対談日記」の2人目のゲストは、独立系投資運用会社のレオス・キャピタルワークスで最高投資責任者(CIO)を務める藤野英人氏。直販ファンドの「ひふみ投信」を運用し、TOPIXなどのインデックスを大幅に上回る運用成績を上げつづけるカリスマファンドマネージャーである。
第1回に引き続き話題はAIJ事件について。今後の規制のあり方のほか、騙された人・騙されなかった人の意外な素顔を明かしてもらった。
 

規制緩和を後退させてはいけない

藤沢  そもそも、資産運用会社には、上場会社に求められているような外部の監査法人による監査は義務付けられていないのですか?

藤野英人(ふじの・ひでと)レオス・キャピタルワークス取締役・最高投資責任者(CIO)。1966年富山県生まれ。90年早稲田大学卒業後、国内外の運用会社で活躍。特に中小型株および成長株の運用経験が長く、22年で延べ5000社、5500人以上の社長に取材し、抜群の成績をあげる。2003年に独立し現会社を創業、現在は、販売会社を通さずに投資信託(ファンド)を直接販売するスタイルである、直販ファンドの「ひふみ投信」を運用。ファンドマネジャーとして高パフォーマンスをあげ続けている。ひふみ投信 http://www.rheos.jp/
ツイッターアカウント@fu4

藤野  外部監査といっても、資産運用会社そのものに対する監査と、資産運用会社が運用するファンドに対する監査がありますが、会社に対する外部監査は上場していなければ義務化されていません。また、ファンドに関しては、不特定多数の投資家に販売する公募ファンドに関しては外部監査が義務付けられています。我々の運用するひふみ投信などは公募ファンドです。しかし、特定の機関投資家や一般の投資家でも50人未満にしか勧誘しないものは私募ファンドといわれ、そのような義務はありません。

藤沢  現在、民主党政権は、AIJ事件を受けて、資産運用業に関して規制強化しようとしていますね。

藤野  今後、規制強化の可能性はありますが、そこには様々な問題があります。藤沢さんもご存知のように、外資系投資銀行のトレーダーなどが独立してヘッジファンドをはじめようと思うと、日本では非常にコストが高いわけです。コンプライアンス部門やバックオフィスなどを自前で揃えなければならず、最低でも年間数千万円のランニングコストが必要でした。

 だから、日本株に投資する日本人のヘッジファンド・マネジャーであっても、規制が緩いシンガポールに資産運用会社を作り、ケイマンなどのオフショアにファンドを登記して、外国籍のファンドとして、日本の企業年金基金などから資金を集めていたわけです。

 日本人が日本の株に投資するのに、シンガポールなどに税金もタレントも取られてしまい馬鹿らしいですね。だから、金融庁は小規模のヘッジファンドを日本で開業しやすいように規制緩和を進めていました。今年の4月1日から施行されたのですが、企業年金基金などの機関投資家のみが対象の場合、資産運用会社はコンプライアンス部やバックオフィスを、資産を預かる信託銀行などに外部委託できるようになりました。これでファンドマネジャー数人だけで、日本で資産運用会社を作れるようになったのです。

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藤沢数希 (ふじさわ かずき)

欧米の研究機関にて、理論物理学の分野で博士号を取得。科学者として多数の学術論文を発表した。その後、外資系投資銀行に転身し、マーケットの定量分析、トレーディングなどに従事。 おもな著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(ダイヤモンド社)、『反原発の不都合な真実』(新潮社)がある。
主催するブログ「金融日記」は月間100万ページビュー 。 http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/
ツイッターのフォロワーは7万人を超える。 @kazu_fujisawa

まぐまぐ、夜間飛行、BLOGOS(ブロゴス)から配信される有料メールマガジン『週刊金融日記』は日本有数の購読者数。

藤野英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークスCIO(最高運用責任者)
1966年、富山県生まれ。90年早稲田大学法学部を卒業。国内、外資系運用会社を経て2003年8月レオス・キャピタルワークスを創業、CIO(最高運用責任者)に就任(現任)。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアを持つ。現在、運用している「ひふみ投信」は4年連続R&I優秀ファンド賞を受賞、さらに「ひふみ投信」「ひふみプラス」を合わせたひふみマザーファンドの運用総額は600億円を超えている(2015年6月現在)。ベンチャーキャピタリストであり、自身がファウンダーでもあるウォーターダイレクトを上場させ、現取締役。 また東証JPXアカデミーフェロー。明治大学商学部兼任講師。主な著書には『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)ほか多数。


藤沢数希の金融対談日記

人気ブログ「金融日記」を執筆する藤沢数希氏がホストとなり、ビジネス界の注目パーソンと対談を繰り広げる「藤沢数希の金融対談日記」。ブログ同様の歯に衣着せぬ口調で、あの事件、あの業界の真実を皆さんにお伝えします。

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