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どうなる今年の日本経済-国内に懸念材料は少ないが

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第12回】 2008年1月8日
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 2002年2月から始まった今回の景気回復は、今年で足掛け6年目を迎える。ただ、昨年の年央以降、米国のサブプライム問題の発生や、国内の建築基準法の改正に伴う住宅投資の減少などによって、回復の足取りはかなり怪しくなっている。

 今年のわが国経済の動向については、北京オリンピックなどによる世界的な家電製品の需要増加や、新興国向け輸出の拡大などの期待もあり、何とか緩やかな回復過程が続くとの見方があるものの、サブプライム問題やそれに続く信用収縮、さらには原油価格の高騰などのリスクファクターは多い。そうした要因の動向次第では、景気回復の道のりは一段と厳しさを増すことが懸念される。

日本経済を支える
3つの明るい材料

 年初から世界的に株式市場が不安定な展開になるなど、あまり明るい材料が見当たらない。そんな中で、今年、わが国の経済を支えてくれそうなファクターを考えると、主に3つの要因を思いつく。

 1つは、住宅投資の回復期待だ。昨年の建築基準法改正によって、わが国の住宅投資は前年対比2桁のマイナスとなった。それが、昨年のわが国経済の足を引っ張ったが、今年は、その反動が出ると見られることに加えて、建築業者等が新基準法の手続きに慣れ始めることから住宅投資が増加すると見られる。住宅投資は、GDPの3.5%程度を占める需要項目だが、裾野が広いこともあり、経済全体に対する波及効果が期待できる。

 2つ目は、新興国や産油国向けの輸出が堅調な展開を示していることだ。サブプライム問題等により米国経済の減速は避けられず、米国向けの輸出には伸び悩み傾向が見られる一方、アジア諸国や欧州向けの輸出は依然堅調な展開を示している。短期的に見ると、そうした傾向に大きな変化はないだろう。足許の為替市場でやや円高傾向になっていることは気になるが、新興国向け輸出は今後も、わが国の景気を下支えしてくれる最も大きな要因の1つと考えられる。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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