8月の国内生産活動
台風接近で思わぬ減産
6月に自動車メーカーの新たな認証不正が判明したが、日本景気における自動車の出荷停止の影響は限定的で回復が続いていた。そんな中、今年の夏は天候要因が思わぬ下押し要因となった。8月の台風10号の接近を受けて、工場の操業停止や店舗の営業休止などが相次いだからだ。
大手自動車メーカーは、グループ会社を含め国内全工場の稼働を停止した。その他のメーカーも九州地方を中心に工場の稼働を停止させ、家電などの販売店や飲食店なども営業を休止した。
鉱工業生産指数は8月に前月比3.3%減となった。業種別でみると、自動車を中心に輸送機械の生産が大きく落ち込み、電気・情報通信機械なども大幅な減産となった。輸送機械では乗用車にとどまらず、駆動伝導・操縦装置部品、シャシー・車体部品などの部品の生産も大きく落ち込んだ。また、台風接近に伴う稼働停止による生産の落ち込みは、金属製品や鉄鋼・非鉄金属、窯業・土石などでもみられた。
ただ企業の生産活動は、深刻な設備被害がなかったことで9月に挽回し、増加基調になるとみられる。9月、10月の製造工業生産予測指数は、それぞれ前月比2.0%、同6.1%の増産が見込まれている。業種別でみると、8月に大きく落ち込んだ輸送機械や金属製品、鉄鋼・非鉄金属、電気・情報通信機械などが大幅増産の見通しになっている。