日本経済は半年ぶりにマイナス成長に転落、企業業績の改善で「景気回復」は期待できるかPhoto:PIXTA

今年1~3月期の日本景気
2四半期ぶりのマイナス成長

 24年1~3月期のGDP統計では、認証不正による自動車生産の落ち込みが国内乗用車販売の減少などを通じて日本経済を大きく下押ししたことが示された。1~3月期は個人消費、設備投資、輸出が前期比で減少し、実質GDP(二次速報値)は前期比0.5%減(年率1.8%減)と2四半期ぶりのマイナス成長となった(図1)。

 1~3月期は、認証不正による自動車生産の大幅な減少に加え、令和6年能登半島地震の影響やサービス輸出の大幅増の反動が予想されていたが、これらの下押し圧力は多くがみていたよりも大きかったといえる。

 個人消費のうち(自動車を含む)耐久財消費は前期比11.5%減となったほか、固定資本形成(設備投資、官民計)のうち輸送用機械が同5.6%減となった。輸出では財が同4.2%減、サービスが同8.0%減となった。

 財輸出では自動車輸出が落ち込んでおり、サービス輸出に計上される「産業財産権等使用料」が前期の大型案件の受け取りの反動で落ち込んでいる。内閣府はこうした結果が景気の動きによるものとはいえない特殊要因であると指摘している。

 一方、1~3月期の企業収益は持ち直している。法人企業統計によると、同期の営業利益は前期比2.0%増、経常利益(金融・保険を除く全産業)は同6.7%増といずれも増益となった (図1)。