経営×経理

 ただ、多くの企業が税理士と顧問契約をしているでしょうから、前者については会計基準に見合った起票・帳簿保存がなされているかなど定期的にチェックが講じられているでしょう。よって、前述したようなシンプルな企業使命を遂行するためには、後者の“管理会計”に重点が置かれている分担方法なのかを見直すことが重要です。

 たとえば、原価管理担当者が単に資材の仕入データ処理ばかりに明け暮れていれば、収益の増減と見合っている原価なのか否か、判断できません。現場の資材担当者や収益管理者と連携をとりながら適正に原価管理がなされていなければ、機能不全なのです。個々の役割が企業使命につながっている仕事になっているのか、1つ1つを見極めて、良好な管理会計体制を構築することが基本中の基本です。

【ポイント2】 
個々の能力がフル活用
できる環境の構築

 経理部員らは貴重な人材です。よって、彼ら彼女らの潜在能力がフルに発揮されるような体制づくりは必要不可欠です。たとえば、個々の適性やスキルを見極めるために面談などを通して、リーダーに相応しい人を担当ごとに配置すれば、上司から与えられた指示通りに動くばかりではなく、業務の平準化を図ったり、他の部員らのアイデアを取り入れたりしながら、より付加価値の高い仕事を目指すような経理部隊の実現が期待できます。

 また、適材適所に人員を配置することで、急な仕事やトラブルが生じた場合でも、しかるべき適任者に権限委譲すれば乗り切れることもあるでしょう。

 経理部員個々にやりがいと使命感を持ってもらえば、自分が経営活動に参画している意識が生まれます。ひいては、人材の成長と共に企業の発展にもつながるはずです。

【ポイント3】
課題・問題点を共有して
解決策を探る

 いくら適切に担当割りを整えても、定期的に検証することを忘れてはなりません。部課長らがよかれと思った方策でも、部員ごとのスキルに幅があるために個々の業務量にムラが生じていたり、期限内に終わらずに結局はリーダーが穴埋めしていたりと、ほころびが潜んでいるかもしれないからです。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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