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エコカー大戦争!

ホンダが中国市場重視路線を明確化
2番手グループに甘んじる現状の「打開策」を占う

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第111回】 2012年5月2日
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ホンダが2台の
コンセプトカーに込めた思い

 2012年4月23日午前10時過ぎ、北京モーターショーのプレスデー初日。同会場W1館中央、明るい白を基調としたホンダブースに2台のコンセプトモデルが登場した。名前は「コンセプトC」と「コンセプトS」だ。

中国重視路線を全面に押し出した、2台のコンセプトモデル。ミッドサイズセダンの「Cコンセプト」(手前)と、新価値乗用ムーバーの「コンセプトS」。共に2013年中国で量産開始。 Photo by Kenji Momota
2012北京モーターショーで記者発表する、本田技研工業の伊東孝紳・代表取締役。新しい企業メッセージ「我動、未来動」を強調した。Photo by Kenji Momota

 「コンセプトC」は、CセグメントながらDセグメントのサイズ感に見える、ミッドサイズセダンだ。「C」には、Cool(カッコ良さ)、Challenge、そしてChinaの意味を盛り込んだ。壇上から英語でプレゼンする本田技研工業・代表取締役の伊東孝紳氏は、この「China」の部分を、感情を込めて強調した。

 同車は中国の広汽ホンダで企画され、日中のホンダの開発チームで共同開発している。主要な生産拠点は中国となり、既存の「アコード」、「シビック」とは違う全くの新車種となる。発売は2013年だ。

 また「コンセプトS」は車高がかなり低い5ドアハッチバック型のハイブリッド車だ。ホンダでは“新価値乗用ムーバー”と呼び、「S」はStylish、Smart、Surpriseを意味する。プレゼンで伊東氏は「世界戦略車だが、まず中国から売り出す」と中国市場最重視の姿勢を強調した。

 同車はホンダとして初めて、初期生産を中国とする世界戦略車だ。生産拠点は東風ホンダ。日本では「ストリーム」の後継車となる。中国市場では新規カテゴリーであり、ホンダとしては新しい顧客層の開拓を目指す意欲作だ。こちらも発売は2013年だ。

 また今回の記者発表でホンダは、中国市場における同社の企業メッセージとして「我動、未来動」を掲げた。

 こうした発表内容はまさに、商品と生産に関してホンダが中国市場で大きな戦略転換を迫られていることの証明である。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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