建設機械レンタルロボットを操縦席に置いて建機を遠隔操作する。高額なICT建機を買わずとも、既存の建機や測量機器にレンタルでICT機能を付加できる Photo by Tomomi Matsuno

 建設機械レンタル市場が活況を呈している。2017年度の市場規模は10年度比で約2倍に成長した。もともと、東日本大震災の復興需要や東京五輪に向けた首都圏の建築ラッシュで需要が拡大していた上に、今夏の西日本豪雨の発生で土木工事が激増しているためだ。

 あまり知られていないが、建設現場で見掛ける建機の6、7割がレンタルだ。経済産業省の統計によれば、17年度の建機市場規模は出荷額約8646億円であるのに対し、レンタル市場の売上高は約1兆5238億円と、レンタル市場の方が大きい。

 好調の様子は大手建機レンタル業者の業績からも読み取れる。上場しているカナモトや西尾レントオールの売上高は右肩上がり。特に、カナモトの17年度売上高は前期比1割増の増収になっている。

 にもかかわらず、業者の表情は一様にさえない。両社の営業利益率が14年度の13%をピークに下降しているように、大手業者ですら収益性が悪化しているからだ。

 原因は、一部の業者が破格で受注し値崩れを起こしていること。顧客の建設会社がレンタル価格を買いたたいており、業界には常に値下げ圧力がかかっているのだ。

 業界最大手のアクティオなどは、利益を絞り出す工夫を凝らす。地場のレンタル業者と連携して迅速に建機を貸し出したり、首都圏近郊に倉庫を新設したりして、機会損失を防ぐ。