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ユニーク企業の仰天戦略

「草刈機まさお」はなぜ生まれた?
地味な商品でも大ヒット連発のネーミング力

キャニコム・包行均会長に聞く(2)

曲沼美恵 [ライター]
【第2回】 2016年3月17日
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ユニークな企業には、ユニークな経営者がいるものである。福岡県うきは市に本社を置く「キャニコム」の二代目、包行均(かねゆき・ひとし)会長もその1人。

「草刈機まさお」をはじめ、「北国の春…お」や「みなみの春…お」、「男前刈清(おとこまえがりきよし)」などユーモアたっぷりの商品名で話題をふりまき、農業用運搬車の分野で業界トップに躍り出たかと思えば、「ブッシュカッタージョージ」や「ヒラリー」などの度胸あるネーミングで世界にも打って出る。

「斜陽」と言われて久しい業界で、「なんでも三流」だったメーカーを「超一流のグローバル中小企業」を目指せる会社へと変えた仰天の戦略と人生を、前回に引き続き3回シリーズでご紹介する。

キャニコム包行均会長 Photo by Toshiaki Usami

社名はコンピューター占いで

――もともと家業は継がれるおつもりでいらっしゃったんですか。

 「生まれたとたんに、『19代目』っていう呼び名で呼ばれとったから。うちはもともと刀鍛冶だったんです。そこから数えて19代目っていう。小学校の時のあだ名も社長」

――入社した時の主力商品は農機具だったわけですよね?

 「そう、当時の社名も筑水農機。嫌だったな。響きが悪かった。農業ちゅう、響きが悪かった。周りの人もそう言ってたもんね。だから、いつか違う名前にしたいなちゅうのは、ずっとあったやね。今の社名は占いで決めたんです。コンピューター占いで」

――コンピューター占い!?

 「役員会議にかけてもね、どれがいいという決定打がないわけやん。それで広告代理店に相談したら、『それじゃあコンピューター占いでもやってみますか』となった。最初は冗談かなって思ったけど、その一人者を連れてきたんです。

 私は最初から『キャニコム』がいいって思ってたし、それからヨーロッパの代理店の人も『キャニコムっていう名前はいいねえ』と。そしたら、コンピューター占いでも同じ結果が出たから、それでオーケー、っていうような感じで。

 ところが、だよ。これで決まったと思ったら、うちの親父が『筑水だけはつけろ』と言う。それで、しょうがないから折衷案で、『筑水キャニコム』ちゅうことになった。去年、うちの親父が亡くなって、一周忌が終わったから、今年の1月1日から正式社名は『キャニコム』。『俺が死んだら筑水とんなさい』と、親父に言われとったからね」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


ユニーク企業の仰天戦略

ユニークな商品・サービスを生み出している会社には、どんな経営者がいるのだろう?大企業には真似できない仰天の戦略でグローバル時代を生き残ろうと模索する、「小さな巨人たち」を追いかける。

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