労働人口の減少や働き方改革の推進を受け、オフィスのあり方に変化が起きている。そこで、働き方とワークプレイスの関係について研究を重ねているコクヨ ワークスタイル研究所の齋藤敦子主幹研究員に、その変遷と最新事情を訊いた。(取材・文/渡辺賢一)

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ワークプレイス改革は
数値には表れにくい成長力をもたらす

「従業員に働きやすい環境を提供することが、どれだけ社の利益に還元されるのか?」

 経営者なら誰もが一度は自問する問いだろう。ワークプレイス改革はCRE(企業不動産)の活用によって企業価値を高める取り組みのひとつだが、投資成果を定量的に測定できないことが実践をためらわせるネックとなりやすい。

齋藤敦子
コクヨ ワークスタイル研究所 主幹研究員。多摩美術大学立体デザイン科卒業後、コクヨ東京設計部にてワークプレイスのプランニングや働き方のコンサルティング業務に従事。その後、研究および新規事業開発部門にFA異動し、未来の働き方と働く環境についての研究およびコンセプト開発を行う。一般社団法人フューチャーセンター・アライアンス・ジャパン理事、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会 調査研究委員、ワークプレイスの知的生産性研究部会 部会長なども兼務

「健康経営の観点から見れば、ストレスなく働ける環境を提供することで、出勤していてもパフォーマンスを発揮できない従業員の数や欠勤数が減るなど、少なくとも企業全体の生産性を高める効果が期待できるはずです」

 こう説明するのは、コクヨ ワークスタイル研究所の齋藤敦子主幹研究員だ。オフィスと働き方についての研究をしながら、企業にプランナーとして提案もする齋藤主幹研究員は、「数値には表れにくくても、従業員の“幸福度”を高めることは、企業を成長に導く大きな力となるはずです」と、続ける。

「ただし、米ギャラップ社が2017年に全世界1300万人のビジネスパーソンを対象に実施した調査によると、日本企業では『熱意あふれる従業員』の割合が6%で、139ヵ国中132位でした。従業員の仕事に対する“幸福度”が高くないとモチベーションは上がりませんが、残念ながら日本企業で働く従業員の“幸福度”は世界的に見てかなり低いのが実情なのです」(齋藤主幹研究員)