本庶教授の「ばらまき」発言は人口減少経済の成長戦略に通じるPhoto:PIXTA

  今年のノーベル医学生理学賞は、本庶佑・京大特別教授が受賞した。

  本庶教授といえば、「オプジーボ」というがんの薬を開発したことで有名である。

 人の体が本来、持っている免疫でがん細胞を攻撃させる治療薬であり、このおかげでがんになっても長く生きる人が増えている。

 筆者は、この2年、ノーベル賞受賞者が発表される時期に、本コラムでそれに関わる記事を書いている。2017年10月5日付「日本人のノーベル賞受賞は10年後に激減する可能性がある」、2016年10月6日付「ノーベル賞を増やす基礎研究の財源は国債が最適だ」などだ。

 日本の自然科学の基礎研究にもっと資金を投入すべきだと、その将来を心配したものだが、このことは自然科学の将来だけにとどまらない話なのだ。

一定の“無駄”がないと
卓越した研究は出てこない