ビジネスには「右脳」も「左脳」も必要。

長島 私は、何をするかを決めるのを、左脳で決めていない気がします。後付けで論理を足していく感じですね。

足立 なるほど。たしかに、混ざっているかもしれないですね。本にも出てきますけど、マクドナルドの再生のキーワードのひとつが、「背徳感」というポジショニングを表すキーワードだったんです。ガッツリしたおいしさが味わいたくなって、背徳感を感じながらも、つい食べてしまうのが、マクドナルド。これは右脳ですよね。
 それで、話題にしようと考えたのは左脳。アライアンス戦略は、巨大メディアとしてのマクドナルドを最大限に活用しようとした手段ですから、極めて論理的です。でもSNSで話題になりそうな面白いトピックは、右脳で判断してました。確かに混ざってる。

長島 今回の本は、そういう深さも見えますね。だから、経営を目指したい人にも、一つの技術を突き詰めたい人にも読んでほしいと思いました。どっちの立場で読んでも、面白いと思います。特に、組織をまとめて、リーダーになる人ですね。
 意思もあって、謙虚さもあって、本当にやりたいことや、自分の考えたことがはっきりしていく大切さもわかる。それを押しつけるとかではなくて、気が付くと他の人もやりたいことになっている、みたいな。そういう感覚の大切さがわかると思います。

足立 コンサルの人にも面白いと思いますよ。「コンサルタントはキャバクラ孃だ」と宣言してたりもして(笑)。コンサルタントが事業会社に移って苦労する点、みたいな内容も入っています。みんな必ずしもうまくいくわけではないですからね。感覚の違いや人の心の使い方の違いなど、ぜひコンサルの方とか、コンサル出身の方にも読んでほしいです。

自分の意見、見解をいかに持つか、が大事。 ローランド・ベルガー オフィスにて