米マクドナルドはスマートフォンで注文と支払いを済ませ、店頭で商品を受け取る「モバイルオーダー&ペイ」を全米の店舗のみならず、日本を含む世界の店舗に導入する計画を発表した。スマホで注文しておけばレジに並ばず、待ち時間がほとんどなく商品が受け取れるという仕組みだ。日本にも導入される日は近いとみられるが、競合する外食店、コンビニは脅威に直面することになる。(流通ジャーナリスト 森山真二)
米国では常態化している
スマホでの注文・受け取り
今や米国のファストフード業界、外食業界ではモバイルオーダー&ペイは常識化している。スターバックスが導入しているほか、一部のコンビニエンスストアでも導入されており、ファストフードをモバイルオーダーで注文できるようになっている。
米マクドナルドが導入するモバイルオーダー&ペイは、ランチ時にスマホのマクドナルドのアプリから注文しておけば、店頭では待たずに商品を受け取ることができる仕組み。決済もクレジットカードか現金かを選べる。現金の場合はその場で支払いを済ませるだけだ。あとは商品の受け取りカウンターで注文した商品をもらうだけ。ランチ時の行列に並ばず済む。せっかちな人には、たまらなくうれしい仕組みである。
それが日本にも導入されるという。「なんだ、スマホで注文ができるようになるだけじゃん」と言うなかれ。指定した注文時間に商品を製造しておくという仕組みはオペレーションの改革を伴うものであり、それほど簡単ではない。
考えてみてほしい。なにしろマクドナルドは外食に販売革命というべき仕組みを日本に持ち込んだ先駆者。1971年に東京・銀座の三越1階に1号店を開設した際には、ハンバーガーを路上でほお張るという米国式のスタイルにスポットが当たったが、実はマクドナルドの斬新さはそればかりではなかった。