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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

トップの仕事ほど細心の注意をもって
整理しなければならない

上田惇生
【第288回】 2012年5月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「ボトルネックはボトルのトップにある、という。いかなる組織といえども、トップを超えて優れたものとはなりえない。トップを超えて大きな構想をもつことも、卓越した仕事ぶりを示すこともできない。先代のトップの構想と遺産によって、しばらく生き続けることはできる。しかしそれでは、後払いで生きているにすぎず、支払いの期日は思っているよりも早く来る」(ドラッカー名著集(2)『現代の経営』[上])

 トップの仕事ぶりが組織の仕事ぶりを規定するというのであれば、なにがなんでもトップには頑張ってもらわなければならない。トップとして行なうべきことに集中し、トップとして卓越した仕事をしてもらう必要がある。

 ところが、トップが行なうべき仕事が何であり、それらのものをどのように組み立てるかが、ほとんど知られていない。

 ドラッカーは、そのためほとんどのトップが、必要に迫られて日常の仕事に追いまくられるだけの存在になっているという。あるいは、自分が専門としてきたなじみの仕事に首を突っ込み、後輩たちに迷惑がられるだけの存在になっているという。

 どのトップも、困ったという顔はしていない。だが大企業、中小企業、あるいは公的機関のいずれを問わず、あまりに多くのトップが混乱し、時間を浪費している。

 すべてがトップ次第とあれば、トップが行なうべき仕事の分析と、現在トップが使っている時間の分析の2つが不可欠となる。

 ドラッカーが紹介するストップウオッチを使ったある調査によれば、自分が行なうべきであると思う仕事に集中していられる時間が、1日に20分以上あるというトップが稀だったという。

 トップの仕事は、徹底的に検討して初めて混乱を免れることができる。トップたるものは、自らの仕事に優先順位をつけなければならない。重要でないことに時間と労力を小出しに使い、重要なことをおろそかにするようなことは避けなければならない。

 「トップの1日も、ほかの人と同じように24時間しかない。彼らもまた、はるかに責任の軽い人たちと同じように、眠ったり、休んだり、くつろいだりする必要がある」(『現代の経営』[上])

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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