スパ棚の上部にある白いカメラが客を認識し、その上の黒いカメラが棚の動きを認識する。客に合わせたサイネージ広告も可能となる Photo by Akira Yamamoto

 米国や中国で広がりを見せる無人店舗が、日本でも胎動しつつある。

 12月13日、全国にディスカウントストアなどを展開するトライアルカンパニーは、日本初となる夜間の無人営業や、人工知能(AI)による画像認識で購買行動を収集する「トライアルQuick大野城店」(福岡県)を開店する。

 夜間は専用のアプリやプリペイドカードをかざして入店する。決済はセルフレジを全面導入しているほか、タブレット決済機能付きのレジカートで自らバーコードを読み込むことで、プリペイドカードと連動したウオークスルー(レジを通さない)決済が可能だ。

 また、パナソニックと協力して開発した冷蔵ショーケースには、客と棚を識別する2種類のカメラを搭載。年齢や性別などの客の属性に加え、「商品を手に取ったが結局買わなかった」といった、棚回りの購買行動を分析することで、従来のPOSでは不明だった非購買のデータをマーケティングに活用することができる。

 トライアルでは、すでに2月にカート決済や店内のカメラによる行動分析を行う店舗を福岡県で開業しているが、今回の業態ではより踏み込んだ技術を採用した。