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「Googleドライブ」は本当に使えるのか?
オンラインストレージの“大物新人”を徹底調査

三浦一紀
2012年5月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
Googleが提供するオンラインストレージサービス「Googleドライブ」。利用規約に納得できるのならば、非常にコストパフォーマンスの高いサービスと言える。

 「オンラインストレージ」と呼ばれるサービスをご存知だろうか? 簡単に言えば、インターネット上に自分専用のファイル保存ができるスペースを提供してくれるサービスだ。

 オンラインストレージを利用することで、いつも使っているパソコンだけでなく、他のパソコンやスマートフォンなどからも、インターネット経由でファイルにアクセスが可能になり、いつでもどこでもファイルが取り出せ、閲覧したり編集したりすることができるようになる。とても便利なサービスなので、すでに利用している人も多いだろう。

 オンラインストレージは、大別すると2種類存在する。単純に外付けハードディスクのように、オンライン上にファイルを保存するタイプと、パソコンのローカルフォルダと同期するタイプだ。前者の代表的なものはWindows Live Sky DriveやNドライブなど、後者の代表的なものはDropboxやSugarSyncなどだ。

 特に後者は、専用ソフトをインストールすることで、ローカルにあるファイルが自動的に同期されるため、オンラインストレージを使っていることを意識することなく使えるというメリットがあり、人気が高い。また、他の人とファイルを共有することもでき、複数人でファイルを管理する場合などにも重宝する。

 そのオンラインストレージ界に「大物新人」が現れた。それが「Googleドライブ」だ。運営はGoogle。ローカルのフォルダと自動的に同期するタイプで、DropboxやSugarSyncと同じタイプのサービスだ。

 このGoogleドライブは、もともとGoogleが提供している無料サービス「Googleドキュメント」を機能拡張したもの。無料で5GBの容量が利用できる。ちなみに、同タイプのサービスであるDropboxは無料で2GB、SugarSyncは5GBとなっている。

 容量は有料で増やすことが可能。この料金が安いのが、Googleドライブの特徴の1つと言ってよい。25GBで月額2.49ドル、100GBで月額4.99ドル、1TBで月額49.99ドル、最大16TBで月額799.99ドルという価格設定だ。

 それに対してDropboxは、50GBで月額9.99ドル(年額99ドル)、100GBで月額19.99ドル(年額199ドル)、最大は1TBまで。SugarSyncは、30GBで月額525円(年額5250円)、60GBで月額1050円(年額1万500円)、100GBで月額1575円(年額1万5750円)、最大500GBが月額4200円(年額4万2000円)となっている。

 この料金設定を見る限り、明らかにGoogleドライブのほうが割安、かつ利用可能な容量が大きいことがわかる。つまり、オンラインストレージ界に「低価格」で殴りこみをかけてきたということなのだ。

 実際に使ってみると、DropboxやSugarSyncとほぼ同じように、ローカルのフォルダを扱っている感覚なので、違和感はない。同期速度も遅いと感じることはなく、快適と言ってもいいだろう。

 DropboxやSugarSyncには、ある特定のファイルやフォルダの固有リンクを取得する機能がないが、GoogleドライブはGmailにファイルを添付して送信する機能が使える。また、Googleの高度な検索機能がそのまま使えるので、大量のファイルからキーワードでファイルを探すといった場合に威力を発揮する。

 筆者は、普段DropboxとSugarSyncを使い分けているが、月額料金が安いGoogleドライブに一本化することも検討中。それほど、使っていて違和感がない。また、仕事上Googleドキュメントでファイルを共有していることも多いため、Googleドライブで一元管理できる点も好印象だ。

 ただし、気になる点もある。たとえば利用規約にある以下の記述だ。

 「本サービスの一部では、ユーザーがコンテンツを提供することができます。ユーザーは、そのコンテンツに対して保有する知的財産権を引き続き保持します。つまり、ユーザーのものは、そのままユーザーが所有します。」とあるものの、その後に「本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーはGoogle(および Googleと協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります」

 つまり、Googleドライブにファイルを保存すると、「そのファイルはGoogleが利用してもよい」と取れる書き方になっているのだ(一部の利用目的に限られているが)。DropboxやSugarSyncでは、「基本的に利用者が公開を許したファイル以外は、誰にも開示しない」とされている。

 Googleは、インターネット上のあらゆるデータを蓄積し、それらを使って高性能な検索システムや日本語IME、各種サービスの開発に利用している。Googleドライブ内のデータも、そのような開発の一部として使われるのだろうか。ただ、それだけならば特に問題はないが、Google側がGoogleドライブの中身を分析していると思うと、あまり気持ちのいいものではない。

 サービスとしては、Googleらしく軽快で使い勝手がよく、従来のGoogleのサービスとの連携もスムーズ。そして低価格で容量がアップグレードできるなど、魅力的だ。利用規約を納得できる向きは、使ってもいいだろう。

(三浦一紀/5時から作家塾(R)


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