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ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書
【第2回】 2012年6月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
安本隆晴 [公認会計士・税理士、株式上場準備コンサルタント]

のろのろ月次決算を
最速決算に変える社内大作戦

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ユニクロの成長を会計面から支え続けてきた公認会計士・安本隆晴氏に「会社を成長体質に変える数字の使い方」を5回にわたって紹介してもらいます。第2回は、半月遅れになってしまう月次決算書を迅速に仕上げて経営改善につなげる方法をお伝えします。

予算管理にアラートシステムを組み込む

 この連載の第1回で説明した予算管理は、予算を作って管理する部門だけが行ない、毎月の役員会で報告すれば完結するというものではありません。経営上大きな問題が発生しそうなときにすぐに警報を出す仕組み、つまり「アラートシステム」を組み込み、関係するすべての部門にただちに働きかけられるようにしなければ意味がないのです。

 工場でよく行なわれていますが、不良品が出たときにすぐに「ラインが止まる」「ランプが点滅する」「ブザーが鳴る」などの危機を知らせるための経営管理の仕組みを作ることです。

 その「不良品が出た」と判断するのが予算管理部門です。判断基準(アラート基準)は、たとえば月次でプラスマイナス5%以上計画と異なっていたら、すぐに原因を分析し、対策を検討し実行します。それもできるだけ早く警報を発するために、月末近くなったら実績を予測できるようにすべきです。

 売上高だけでなく、仕入高、粗利、貢献利益や在庫高なども重要な管理ポイントです。このような会計数字だけでなく、受注数、歩留り率、顧客からのクレーム数などの非会計数字の把握も非常に重要です。

 これらの数字の計画値(目標値)を立てておいて、実績値と毎日比べて変化をつかみ、実績が計画値を超え異常値を示したときに関連部門にすぐにアラートを発信し、対策を立てるきっかけとするのです。

 ビジネスの基本に「PDCAサイクル」を回す、という考え方があります。
これは経営のどの階層にとってもきわめて重要なことで、経営トップでもミドル階層でも現場(フロント、ローワー階層)でも、各々1人ひとりが仕事をするときに重視すべきことです。

 経験的に言っても、これがうまく回転している会社ほど明らかに高成長・高効率です。おそらく時間の進み方も相当に早いことでしょう。

 予算作成はこのうちの「P=PLAN」に該当し、実践「D=DO」(実践結果が月次決算の数値)後の予算管理は、「C=CHECK」と「A=ACTION」に該当します。

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安本隆晴 [公認会計士・税理士、株式上場準備コンサルタント]

1954年静岡生まれ。1976年早稲田大学商学部卒業後、朝日監査法人(現・あずさ監査法人)などを経て、安本公認会計士事務所を設立。1990年(株)ファーストリテイリング(旧・小郡商事)の柳井正社長と出会い、以降、株式上場準備コンサルタント・監査役として、同社の成長を会計面から支えてきた。現在、アスクル(株)、(株)リンク・セオリー・ジャパン、(株)UBICの監査役でもある。2013年3月まで6年間にわたり中央大学専門職大学院国際会計研究科特任教授を務めた。2014年5月より若手経営者向けの勉強会「未来経営塾」を開講している。

著書に『強い会社をつくる会計の教科書』『伸びる会社をつくる起業の教科書』『「ユニクロ」!監査役実録』(以上、ダイヤモンド社)、『コンサルタントは決算書のどこを見ているのか』(PHP研究所)など。柳井正著『一勝九敗』『成功は一日で捨て去れ』(ともに新潮社)の編集にも携わった。

 


ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書

会社の決算書は、利害関係者に対して説明責任を果たすツールであるとともに、現在の会社の真の姿を映し出す鏡でもあります。この鏡に表れた数字をつぶさに観察し、それを次の行動に活かすことによって、会計の力で会社を変えることができます。ユニクロ、アスクルなどの成長を支えた安本氏が、会社を成長体質に変える数字の使い方、教えます。

「ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書」

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