米GE財務の安定を最優先する米GEは、成長分野に位置付けていた医療機器部門を分社し、一部を売却する Photo:REUTERS/アフロ

 低迷していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が上昇に転じている。昨年、社外出身者として初めてCEO(最高経営責任者)に就任したローレンス・カルプ氏が、大なたを振るっているためだ。

 カルプ氏は1月31日、2018年10~12月期決算会見で、火力発電への逆風で不振にあえぐ電力部門のリストラを断行していることを何度も強調した。

 具体的な成果として、1万2000人のリストラ計画のうち1万人(電力部門人員の15%相当)を削減したことと、生産施設の3割を統廃合したことをアピールした。

 さらに、今後の市場動向についてシビアな見方を示した。顧客に引き渡される世界の発電用ガスタービンの総発電容量は2000~15年の平均約70ギガワットから25~30ギガワットに落ち込み、当面回復しないという。

 カルプ氏は「新たな現実に電力事業のコスト構造を合わせなければならない」と述べた。

 こうしたネガティブな発表にもかかわらず、GEの株価は同日、12%も上昇し、翌日も続伸した。