国会では消費増税を含む税制改革法案の審議が本格化している。もし、野田総理が「政治生命」をかけると明言する同法案が不成立となった場合、今後10年間で日本財政は相当厳しい局面に突入する可能性が高い。直面するのは、これから説明する3つのリスクである。
国際通貨基金(IMF)は、日本の地方も含む一般政府の債務残高(対GDP)は2012年には232%、2016年には277%に達すると予測し、『日本の公的債務残高は「持続不能な水準」に膨らんでいることから、「日本や世界経済安定のリスク」になっている』と警鐘を鳴らしている。
このような中、5%の消費増税を含む税制改革法案の審議がスタートした。だが、デフレ脱却が進まない現状で増税に否定的な意見も多く、政府・与党は政権内のみでなく、野党との政治的駆け引きを含め、難しい舵取りが要求されている。
野田総理は「政治生命」をかけ、税制改革法案を成立させようとしているが、もし同法案が不成立となった場合、今後10年間で日本財政は相当厳しい局面に突入する可能性が高い。その際、留意すべき要因は以下の3つである。①「改革先送りコスト」、②「利払い費の急増」、③「市場が抱く期待が変化するリスク」である。