百花繚乱のモバイル通信規格で<br />ひと味違う「WiMAX」のお得度
いよいよ7月から正式にスタートしたモバイル通信規格「WiMAX」。「下り最大40Mbps・上り最大10Mbps」という高速データ通信が可能になる。

 大手家電量販店のPCや携帯電話コーナーに出向くと、「モバイルWiMAXスタート」といった垂れ幕を見かける。春から実験的に運用が開始されていたWiMAXが、いよいよ7月より正式にスタートしたのだ。

 「モバイルWiMAX」は、無線通信規格の1つで、従来の無線LANより広い範囲を対象にしている。基地局からおよそ10㎞をカバーしようというのだ。

 最大の特徴は、何と言っても「下り最大40Mbps・上り最大10Mbps」という高速なデータ通信が可能になることだ。すでによく使われている「HSDPA」が7.2Mbps、まもなく登場する「HSPA+」が21Mbpsなのと比べても、相当に速いことがわかるだろう。

 モバイルデータ通信には、今年10月にサービスがスタートする予定のウィルコムの「XGP」(20Mbps)や、NTTドコモやソフトバンクモバイルなどが来年後半にスタートを予定している「LTE」など、新規格がたくさん控えている。

 店頭では、イーモバイルやNTTドコモなど、すでに入手可能なHSDPAの通信アダプターも盛んに販売されている。

 モバイル通信は、“混線”どころかまさに“百花繚乱”状態なのである。

 そんななかでも、UQコミュニケーションズが提供するモバイルWiMAXは、多くのシェアを持つインテル、ノキア、モトローラなどがフォーラムを作って後押しをしているため、「今後の普及は間違いない」と誰もが予測している。

 驚くべきは、まだ基地局も普及し切っていない現段階において、すでにWiMAXを内蔵したPCが登場していることだ。

 「内蔵PC」というのは、モジュールを内部に組み込むことで、通信用のアダプターを差し込む必要がないモデルのことだ。シンプルに利用できるのに加え、アンテナをうまく配置することで高速通信できる可能性もある。

 また、売る側としては、他の通信規格やキャリアに乗り換えられる可能性が少ないメリットもあるわけだ。