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最先端の研究を支える高性能ミキサー
情熱と直感で道を切り開く信念の経営者
シンキー社長 石井重治

週刊ダイヤモンド編集部
【第193回】 2012年6月15日
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Photo by Yoshihisa Wada

 世界の企業や大学、研究機関から、町の工場、薬局や歯科医院に至るまで、絶大な信頼を得ている機械がある。シンキーのミキサー(撹拌機)である。

 もちろん、ただのミキサーではない。樹脂、ハンダ、医薬品、カーボンナノチューブ等々、あらゆる素材を数分で均質に撹拌し、同時に脱泡まで行う。導入した顧客は、「こんなことができるのか」と驚嘆するという。均質さと速さに加え、従来のプロペラなどを使う方式で悩みのタネだった、気泡の発生もないからだ。

 秘密は、独自に開発した「自転・公転方式」だ。惑星が自転しながら太陽の周りを回るように、材料を入れた容器の自転で撹拌を行いながら、公転する遠心力で気泡を除去するのである。

 きっかけは、歯科医院で歯の型取りに使うペーストを混ぜるのに苦労している、という話を聞いたことだった。だが開発は容易ではなかった。特に強い遠心力に耐える構造を作り上げるには苦心した。着手から製品化まで実に13年の、試行錯誤の成果である。

熱意と誠実さで社長も瞠目させた
驚異の新入社員

 シンキーの社長、石井重治が同社を創業したのは1971年。もともと「事業家になる」という強い意志を持っていた。

 少年時代の石井は、「弱々しい子ども」で、いじめにも遭っていた。ところが、中学生のときに意を決していじめの首謀者に一発お見舞いしたことをきっかけに一変、「自信たっぷりに変わってしまった」。ちょうどそのころ、石井は一冊の本に出会う。「電力王」と呼ばれた福澤桃介の伝記である。「事業家とは何と男らしい仕事なのだろう」と感激した。

 中学卒業後すぐにでも働きたかったが、親の説得で高校に進学。受験したのは地元の難関進学校で、周囲いわく「奇跡の合格」だったが、本人は受かると確信していたという。「自信を持って、自分の感性に素直に生きれば道は開ける」。これが以降の石井の信念となる。

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