大学を卒業して社会人として働き始めると、多かれ少なかれ、その変化の大きさに戸惑うものである。心身の健康を乱され、苦しむ人もいる。ミレニアル世代は打たれ弱いという人もいるが、筆者は、それは世代の問題ではなく文化の問題だと指摘する。調査により、大学から職場に環境が変わると、主に3つの領域で苦闘していることが判明した。


「疲れ果てた」「途方に暮れる」「不安だ」「あれもこれも苦戦中」

 これらは、私たちが最近インタビューした54人の新卒者が、大学から職業の世界への移行について語ったことのほんの一部だ。私たちが話した多くの若者は、すぐに仕事に全力投球するよう求められているにもかかわらず、方向性を見失い、困惑し、不満を抱き、多くの場合「現実の社会」に圧倒されていた。

 この強烈で困難な体験は、若者自身とその心身の健康に影響するだけではない。彼らを採用し、即戦力として訓練するのに時間とお金をかけている企業側にも、影響を及ぼす。

 新卒者が苦戦しているのは、ミレニアル世代だからだと言う人もいる。この世代の若者は自己中心的で特権意識が強いから、特に打たれ弱いのだ、と。だが、大学から職業の世界へ移行していく彼らへのインタビューを通じて密接に関わった私たちは、何か別の要因が働いているのを感じる。

 私たちは、若者の苦闘の主な原因は、世代的なものではなく、文化的なものだと見ている。とりわけ、大学から職場に移る際に生じる、非常に顕著ながら軽視されがちな文化面の変化だ。

 私たちは研究で、この文化的移行は少なくとも3つの主要な領域で展開することを明らかにした。フィードバック、人間関係、責任である。