寝る直前のわずかな時間でできることには限りがある。ほんの1分でもできるものとしては、「暗記カード」を使った勉強法がある。ただし、やみくもにカードをつくればいいというものではない。記憶力を格段に高めるカードのつくり方や活用法とは?

「暗記カード」づくりは、
記憶力アップには最高の仕掛け

 寝る前1分の記憶術で効果的なのが「暗記カード」の活用です。暗記カードがあると、寝る前だけでなく、さまざまな細切れ時間に復習ができるので便利です。

 たとえば、昼休みのランチに外食を利用する人なら、頼んだランチが出てくるまでの5~6分、朝夕の通勤・通学の際に電車が来るのを待っている時間あるいは車中、タクシーやバスの中、病医院や歯科の待ち時間(病院のように待ち時間が長いことがわかっていれば、本を持参して「いいとこ取り読書」も)、会議が始まる前の待ち時間(その会議における自分の意見のポイントなどをカードに落としておく方法も)などなど、みなさんにも日常の中に細切れ時間はたくさんあるはずです。

 それぞれわずかな時間ですが、暗記カードをポケットに入れておけば、勉強のチャンスになります。ボーッと待っているのは時間がもったいないですよね。

 では、暗記カードをいつつくるのかというと、これは寝る前1分や細切れ時間では無理ですから、時間がたっぷりあるときです。土曜日や日曜日など時間がある休日が最適ですが、平日の帰宅後でもいいでしょうし、場合によっては寝る前30分でもいいと思います。寝る前30分につくるというのは、寝る前1分に直結するので「覚えたい対象」によってはかなり記憶効果が高まります。

 カードをつくるという作業は、一見、面倒のように思う人がいるかもしれませんが、やってみると、なぜか案外楽しいものです。おそらく「これで覚えられるぞ」というポジティブな気分になるからでしょうか。あるいは、自分専用の“作品”をつくっているというクリエイティブな気分に浸れるからでしょうか。

 私の場合は、休日にこういうことをするのはまったく苦になりませんでした。自作のカードが貯まってくると、専用のカードボックスをつくり、整理しておくのがよいのですが、この整理作業も結構楽しいものでした。どんどん貯まり、カードボックスの中身が増えていくというのは、あたかも自分の作品が増えていくような感覚です。