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ユーチューブで儲けまっせ!
役所と企業のタッグが生んだ
目から鱗の関西流新IT商法

2009年11月19日
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 関西から世界へ――。

 そんな思いを掲げ、関西の中小企業が世界へ向けた独自の動きをみせている。なんと、自らの技術力を世界へ売り込むべくYouTube(ユーチューブ)を使って受注活動を開始したのだ。ユーチューブとは、ご存知のとおり、会員登録すれば誰でも自分でつくった動画を世界中に配信できる、米国発の動画コンテンツの共有サイトだ。

 この事業を支援しているのは、一見、ユーチューブのような最新のネットサービスとはまるで縁のなさそうな官公庁。事の発端は、経済産業省近畿経済産業局(以下、近畿経産局)だ。中小企業の経営者たちの悩みを聞いていたことから始まったという。

 中小企業に共通する悩みとは、資金と販路。どんなに技術力を高めても、それを世間に知ってもらわなければ受注にはつながらない。かといって、会社の規模が小さく、むやみに営業マンを増やしたり、大々的に宣伝するようなカネはない。会社のホームページを立ち上げても誰も見てくれない。そんな悩みをどの企業も少なからず抱えていた。

 こうした経営者たちの悩みを聞くうちに、足りないのはマッチング機能だと近畿経産局は結論づけた。そこで始めたのが今回の動画配信。関西の中小企業と世界中の潜在顧客とのマッチングを目指した。まずは近畿経産局が中小企業を紹介する動画サイトを独自に開設、各社の情報を載せ、さらに各社の技術力や社長の思いなどを映像化し、それを1社当たり1分間にまとめた。そしてその動画をユーチューブに配信したのだ。玉石混淆で、いまのところ社会的評価に賛否あるユーチューブを官公庁が自ら使ったのは初めてのことだという。

 もちろん、むやみやたらに試してみたのではない。勝算はあった。じつは近畿経産局はこれまで、パナソニックやオムロンなど、関西の大手有名企業をリタイヤしたOBたちが、自分たちの持っている経営の経験や人脈を役立てようと、まだ十分な販路を持っていなかったり、経営ノウハウが未熟だったりするベンチャー企業への経営相談や販路開拓を手伝う、いわゆるマッチング事業を立ち上げた際に支援した経験があった。彼らのマッチング事業が注目されるうち、全国各地から問い合わせの声がどんどん増加する姿をつぶさにみてきて、「これは使える」と考えたという。

 さっそく近畿経産局は、予算のつきやすい独立行政法人・中小企業基盤整備機構に事業を移し、経済産業省から予算を獲得することに成功した。そして2009年2月、“実験”という名のもとに、新たにユーチューブへの配信に踏み出したのである。

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