ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
商社を支える“いまどき” ビジネス

「輸入豚=安かろう、悪かろう」はもう古い!?
住商グループが開発した
米国産ブランド「四元豚」の真価

【第3回】 2012年7月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 消費税増税法案が衆議院を通過し、2年後の消費税率引き上げが現実味を帯び始めている。第一生命経済研究所の試算では、もし消費税率が10%となれば、夫婦のどちらかが働き子どもが2人いる年収500~550万円の世帯で、約12万円の負担増になるという。

 現在もデフレが進み、景気低迷で家計収入が伸びないなか、この消費税増税が食卓に及ぼす影響は決して小さくない。なぜなら既に今でも多くの主婦たちが、スーパーの精肉売り場でこんな葛藤を日々繰り返しているからだ。

 「輸入肉は安いけど、やっぱりお肉は国産じゃないと。でも、国産は値段が高いから…」

 「安かろう、悪かろう」というイメージが染み付いてきた輸入肉。堅い、おいしくない、安全性も不安。だからなるべく買いたくない。そんな意識が強いため、輸入肉の値段がいくら手頃であったとしても敬遠され、割高の国産肉を買おうとする人が少なくない。

 しかし、そんな輸入肉のイメージを払拭するブランド豚が、いま密かに消費者の間で話題になっている。この豚は、他の輸入豚よりは3~4割ほど割高であるものの、普通の国産豚より1~2割安いか同じ程度の値段で、国産豚に負けないおいしさを味わえる。そんな新しい輸入豚を手掛けているのが、総合商社の住友商事とその子会社で販売を担当する住商フーズ(以下「住商グループ」)だ。

アメリカ産豚肉のイメージを変える!?
指定農場との「四元豚」開発秘話

「四元豚 シルキーポーク」を生産するゴールズボロ農場。衛生的な豚舎で肥育され、豚のストレス軽減の為、温度管理も実施している。

 最近、大手外食チェーン店、コンビニなどで「四元豚」を冠したメニューを目にしたことはないだろうか。「四元豚の生姜焼き定食」(大戸屋)、「四元豚のかつ煮御膳」(デニーズ)、「四元豚シルキーポークの炭火焼肉弁当」(セブン-イレブン)などがその例だ。手軽な値段でなぜおいしい輸入豚肉が食べられるのか、と思った人も少なくないはずだ。その秘密は、2010年秋に住商グループが誕生させた新たな輸入ブランド豚肉「四元豚シルキーポーク」にある。

 住友商事が輸入豚のビジネスを本格化させたのは1994年のこと。当時は、今以上に輸入豚に対する「安かろう、悪かろう」というイメージが根強かった。そんなイメージを払拭しようと、住友商事は世界最大の豚肉生産会社・スミスフィールド社の日本での独占販売権を獲得。同社とのビジネスを通じて、農場から店頭までの一貫生産を実現し、安心・安全でおいしい豚の輸入ができるようになっていった。

 そんななか、日本は90年代の後半以降、深刻なデフレが進行。景気も悪化の一途を辿り、食卓に与える影響も小さくなかった。「国内豚を買いたいけれど、値段が高い。でも輸入豚はおいしくないから買いたくない」。そんな消費者の葛藤に一石を投じるべく、輸入豚のイメージをより向上させようと取り組んだのが「四元豚 シルキーポーク」の開発だった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


商社を支える“いまどき” ビジネス

世間一般には、「モノやサービスを仲介する仕事」と思われがちな商社だが、足もとでは、従来の価値観に囚われない事業展開を行なっている。有名なのは、世界中で需要が急増している資源・エネルギー分野のビジネスだろう。採掘から、製品化、流通・販売まで、全てのプロセスに投資を行なう各社は、資源高の恩恵を享受して、軒並み収益増に沸いている。しかし、彼らが参入しているビジネスは、こうした重厚長大分野に止まらない。時として、衣食住に関わるコモデティ分野まで深く入り込み、ビジネスの裾野を着々と広げている。この連載では、商社の屋台骨を支える「いまどきビジネス」を詳しく紹介しながら、日本企業が新しいビジネスを生み出すためのヒントを考える。

「商社を支える“いまどき” ビジネス」

⇒バックナンバー一覧