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なぜ「つながる」ほどに「疲れ」を感じるのか?
【第4回】 2012年7月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
小川和也 [グランドデザイン&カンパニー代表取締役社長]

「LINE」の急伸から見えてくる、
これからの「つながり」のカタチ
――みんなとのつながりから、最小単位のつながりへ

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「こんなことをつぶやこうと思ったけど、あの人も見てるかもしれないからやめておこう」
Twitterでつぶやくとき、またはFacebookで投稿するとき、こんなことを考えてつぶやくのをやめたことはないだろうか? どことなく自分がつながっている人たちの顔が浮かんできて……、などということは、今ではよく聞く話だ。
つながることで疲れてしまう、という現象を読み解き解決策を模索する本連載第4回は、ひとつの問いと答えを用意した。問いとは、こうだ。「すべての人にすべてをさらす必要はあるのか?」
そのヒントは、いま絶好調のコミュニケーションアプリ「LINE」急伸の秘密にある。

急伸する「LINE」から見える、「疲れ」の蔓延

男「今日は疲れたな~」
女「どうしたの?」
男「上司に怒られた」
女「そんな上司なんか、無視無視!」

 スマートフォンの中でやり取りされる恋人同士のメッセージのやり取り。メッセージは高速で瞬時に相手に送られ、目の前に相手がいるかのようにタイムラグなしにコミュニケーションできる。それを支えているのが、FacebookやTwitterよりも急速に利用者を伸ばしているスマートフォン用アプリ、「LINE」だ。

 「LINE」は、無料で電話やメールができるサービスで、日本の他にも香港や台湾、中東などでも利用者が急増している。2011年6月のサービス開始からなんと6ヵ月程度で、ダウンロード数が1000万件を超えたという。

 日本でFacebookの利用者が1000万件を超えたのはサービス開始から28ヵ月、Twitterは26ヵ月であることを考えると、とてつもない速度で人々が受け入れていると言えるだろう(注)

 そして2012年6月6日時点で、登録ユーザーは世界で4000万人、国内で1800万人を突破した。

 無料でリアルタイムに、親しい人と交流できる「LINE」。できることは、1対1の通話やチャット、複数人のグループでのチャットだ。文字や写真を送り合ったり、キャラクターイラストで感情を表現したりするような(スタンプ)機能や、送ったメッセージを相手が読んだかが把握できる機能などで構成されている。これだけを並べてみても、どこが革新的でなぜヒットしたのかは見えてこない。

 では、その急伸の原因はどこにあるのだろうか。利用者の声をいくつか拾ってみよう。

 「LINEを使うようになってから、友達との連絡頻度が増した」
 「LINEでなぜか夫婦の会話が復活した」
 「短文でもスタンプひとつでも気持ちを伝えられるということで、元来メール無精な彼女が頻繁にメッセージをくれるようになった」

 ここから見て取れるのは、ごく親しい友人や家族とのコミュニケーションで使いたいというニーズがとてつもなく大きいことだ。つまりLINEは、サービスの機能面がウケたということはさることながら、つながりに疲れた人々がどこへ向かうかについて、ひとつの形を示唆しているのではないだろうか。

(注)定額のパケット通信で音声通話やメールを処理するため、電話番号を知っている人同士であれば、どの携帯端末からも無料で利用できる。

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小川和也 [グランドデザイン&カンパニー代表取締役社長]

グランドデザイン&カンパニー代表取締役社長。西武文理大学特命教授。
1971年生まれ。1995年慶応義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年にグランドデザイン&カンパニーを創業。テクノロジー×クリエイティブの視点で、ソーシャルメディアとモバイルを軸としたインターネット事業を手がける。その黎明期から、ソーシャルメディアを中心とした題材の執筆や講演を多数行っており、ソーシャルメディアの普及とその背後にある課題等を論じ続けている。


なぜ「つながる」ほどに「疲れ」を感じるのか?

twitterやfacebookが世界中で利用されるようになり、「社会インフラ」として定着してきた感のあるソーシャルメディア。使わないと乗り遅れそうで始めてみたものの、何となく手を余してはいないだろうか。そして使っているうちに、どこか「行き詰るような疲れ」を感じてはいないだろうか。
ソーシャルメディアは人を魅了する一方で、気疲れも与えうるものでもある。
本連載では、twitter、facebookやmixiなどのソーシャルメディアの特性をよく知る著者が、自身の体験と寄せられる相談などから得た実例をもとに、多くの人々が潜在的に抱えている「ソーシャルメディア以降の人間関係や人とのつながりのあり方」に対するモヤモヤ感を言葉化して解消していく。それと同時に、これから先の動向を探り、それに即した人間関係の築き方、ソーシャルメディアを用いた「ほんの少しラクなつながり方」までを提示する。

「なぜ「つながる」ほどに「疲れ」を感じるのか?」

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