大阪にあるテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(運営会社:ユー・エス・ジェイ)が低迷期を脱して復調している。今年4~6月期の客数は前年同期比25%も伸びている。周年イベントによる特需の反動や料金の値上げというマイナス要因をものともしない力強さだ。この背景にある経営戦略の変更を探った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)
テーマパーク業界には「周年の呪い」という言葉がある。10周年などの節目の年は、特別イベントで盛り上げるため、需要を先食いしてしまい、翌年の客数が前年を下回ってしまいがちだ。業界ガリバーの東京ディズニーリゾート(TDR)も、25周年の後の2009年度には客数を5.2%も落としている。
ところが、ユー・エス・ジェイ(USJ)が大阪で運営するユニバーサル・スタジオ・ジャパンは違った。01年度に開業して11年度に10周年を迎え、今年度はまさに周年の呪いの年に当たる。しかも、4月からは入場料を大人の1日券で200円、値上げした。
マイナス要素が重なっているにもかかわらず、4~6月期の客数は前年同期比25%増だ。「天候などの外部要因に左右されるが、特別な何かが起きなければ昨年比2桁増の年間900万人の来場は視野に入っている」と、森岡毅・CMO(最高マーケティング責任者)執行役員は強気だ。