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河尻亨一のデジタル・クリエイティブReview
【第6回】 2012年7月26日
著者・コラム紹介
河尻亨一 [元「広告批評」編集長/銀河ライター主宰/東北芸工大客員教授]

デジタルだから表現できた
映画『おおかみこどもの雨と雪』の世界観

デジタルクリエイティブを満喫する夏の過ごし方も一興

いよいよ夏真っ盛りですね。旅行や花火、帰省……と、バケーションの計画でそわそわしている方も多いのでは? そこで今回は“夏休み特集”にしてみたいと思います。筆者がこの夏オススメする映画や展覧会、イベントなどの関連記事を“デジタル・クリエイティブ”のアングルからピックアップします。

『おおかみこどもの雨と雪』の
世界観はCGの賜物

INTERVIEW『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督: 「アニメがもつ記号性を、一度解体する必要があった」(WIRED.jp) 

 まずは映画『おおかみこどもの雨と雪』(7月21日公開)の関連記事から。各種メディアにも取り上げられ、すでにかなり話題というか、大ヒットの予感さえあるアニメ作品ですが、劇場で鑑賞したところ前評判を裏切らない(それ以上の)すばらしさでした。

   当連載は映画評ではないのでストーリーや見所の解説は控えますが、これまで出会ったことがない“映画体験”ができたというのが私の率直な感想でした。その感動をテクノロジーがバックアップしていることは言うまでもありません。

 つまり、CGが“効果的”に使用されています。しかし、いわゆる映像派手化のためのCGではなく、予算と手間を削減するためのデジタル活用でもなく、この物語の世界観を表現するために「それが最適であったから」という必然性を感じました。

 ピックアップした細田守監督へのインタビュー記事では、デジタル表現に対する演出家の考え方も語られています。「本来技術は作品の一部として消化され、観客に味わってもらうべきものですから」というコメントに大事なポイントが濃縮されています。クリエイティブ産業の関係者にとっては示唆に富む記事でした。

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河尻亨一 [元「広告批評」編集長/銀河ライター主宰/東北芸工大客員教授]

1974年、大阪市生まれ。99年、早稲田大学政治経済学部卒業。お茶の水美術学院講師を経て、2000年より雑誌「広告批評」(マドラ出版)に在籍。08年、編集長就任。10年、同社退職後、雑誌・書籍・ウェブサイトの編集、企業の戦略立案およびPRコンテンツやイベントの企画・制作を手掛けるほか、講演活動なども行っている。


河尻亨一のデジタル・クリエイティブReview

ITツールの進化によって、デジタル・クリエイティブはより精緻に、よりリアルにとその表現力を上げています。これまで体験したことのない感動をデジタルで実感できる時代には、どんなコミュニケーションが可能になるのでしょうか。元「広告時評」編集長の河尻亨一氏がナビゲートします。

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