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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

原発からライター用まで1本から受注!
世界が認めた東海バネの職人芸×IT経営
渡辺良機 東海バネ工業社長に聞く(後編)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第8回】 2009年8月12日
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30年前、東海バネ工業の渡辺社長が訪ねた酒屋は、何の変哲もないフツーの酒屋さんだった。だが、店主の話を聞いて渡辺は驚かされる。

東海バネ工業の二代目社長、渡辺良機(わたなべ よしき)氏

渡辺社長:酒屋の大将、私が行くなり出てきて下さって、自信満々こんなふうにおっしゃるんです。

 「いまな、このあたりの酒屋で、年間1億円売ってる酒屋が、よう売れとると言われている。そやけどうちはその3倍売っとるで」。「ひゃー、どうして3億円売ってはりますねん」と聞いてみた。「いやー、わしは何もしとらん、朝起きてコンピュータのスイッチを入れるだけや」。

 そこで見せてもろうたコンピュータの画面には、何月何日行くべきお客さんのリストと売り込むべき商品が、ダーッと出てるやないですか。

 「これをプリントアウトして、お店のもんに渡し、軽トラックに商品積んで、行って来いというけだけや。酒屋は空振り覚悟の御用聞き商売というが、うちは空振りないで。うちは酒やビールや醤油を売ってへん。システムをこうて(買って)もろうてんネン」と。

 僕ね、酒屋さんが商品を売らんと、システムを売ってはる。東海バネもこれいける、これを使うべきや、データベースでバネづくりをしなければいけないと、気づいたんです。

 その当時も500~600社のお客さんいましたが、要(い)るときいるとき発注、要るだけ買いの、わがままなお客さん。注文は100%が、繰り返し=リピート・オーダーですわ。

 リピートいうても、毎月とか、3カ月に1回とか、年に1回という定期的なリピートではなく、発注が不定期なんですよ。中には10年ぶり、15年ぶりという注文もある。それを受注して、生産して、お届けするというシステムは、マンパワーに頼っていた。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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