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週刊 上杉隆

東京電力テレビ会議映像公開の酷さに
拍車をかける大手テレビ局の「権利意識」

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第9回】 2012年8月10日
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公開ではなく
情報隠蔽の一環

 東京電力がようやくテレビ会議の映像を公開した。

 昨年三月の東京電力福島第一原発の事故から一年半、それだけの年月を待ってようやく公開されたものは「公開」とは程遠い、言うならば「原則非公開につき一部だけ不完全公開」といった程度の酷いものだった。

 ニュースサイト「news-log」(NOBORDER)でも、東電会見に出席し続けている芸人のおしどりマコ・ケンさんが、公開後、すぐにこの動画をアップしたが、それは閲覧の許される約150時間分のさらにごく一部の90分にすぎないというものである。

 しかも、その動画では音声のない部分が大半であり、分割された5画面の中ではモザイクをかけた人物が何人も映っており、いったいこの公開にどういった意味があるのか大いに疑問が残る。

 その疑問点は、東電が今回の「公開」をプライバシーや社内の機密情報保護のために制限を設けたという不完全公開を自ら宣言した説明である程度氷解するだろう。

 会話を敢えて消去した部分が1500ヵ所以上もあり、公開ではなく情報隠蔽の一環、3月以降繰り返し東電取材をして筆者からすればそう断言せずにはおられない。

 この酷い状況にさらに拍車をかけているのがメディア報道だ。さすがにこれを完璧な情報公開だと謳うメディアはないものの、その隠蔽された部分に具体的に突っ込んでいく大手のテレビ・新聞は見られない。

 それもそのはず、そうした大手メディアこそが、東京電力の情報隠蔽に半ば加担し、ほとんど「犯罪行為」ともいえる放射能事故の現実に向き合ってこなかった張本人に他ならないからだ。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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