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山崎元のマルチスコープ

「財源」に浮き足立つ民主党政権への心配

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第119回】 2010年2月24日
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ツー・トップが弱点

 民主党政権の支持率が、以前の自民党の各政権時の減価償却を思わせるような、見慣れたペースで落ち込んでいる。政治的にも実害が出始めており、長崎県知事選挙、町田市長選挙で民主党の推す候補が敗れた。「小沢選挙」の神話も効力が怪しくなってきた。

 前回総選挙での「勝ち過ぎ」に対する国民のバランス感覚の現れということもあるだろうし、鳩山首相が自ら率直に認めるように「政治とカネ」の問題が批判された結果でもある。加えて、総選挙で約束した民主党らしい政策がほとんど実現していないことに対する失望が大きいのではないか。天下りは認める、ムダの削減は格好だけ、予算案はすっかり財務省ペースというのでは、減点材料ばかりだ。それにしても、短期間でどうしてここまでダメになるのか。

 率直に言って、政権の表・裏のツー・トップである二人が共に資金問題で追及の余地のある傷を持っていることが政権運営停滞の最大の原因だろう。

 共に、財務省配下の国税に弱味を握られているのではないか。鳩山氏の脱税額は逮捕・告発でもおかしくないくらい大きいし、小沢氏への検察の動きには多くの議論があるが、資金問題で再び強制捜査されたり、起訴されたりする事態になると、最終的な司法判断以前に政治的な立場を失いかねないのが現実だろう。彼らは、いわば官僚機構側のお目こぼしによって権力を持っているのが現実だ。小沢氏の説明責任の問題や、検察の捜査の妥当性など重要な議論は別にあるが、力関係としてはこれが現実だろう。官僚制度改革の後退もこれらの問題と無縁ではないのだろう。

 政治とカネという点については、鳩山首相、小沢幹事長をはじめとして、民主党の多くの議員がかつての自民党出身者なのだということをあらためて思い出した。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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