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森信茂樹の目覚めよ!納税者

財政再建はこれからが正念場
最初の試金石は規律なき補正予算という“魔物”

森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
【第33回】 2012年8月22日
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 野田内閣のもとで、消費税率の引き上げが決まったことは、素直に評価したい。党の分裂や次期総選挙での敗北の可能性も辞さず、ひたすら増税に向けて一歩一歩進めていった総理の手腕は、今後の歴史の評価に耐えるものといえよう。

 あわせて、忘れてならないのは、一体改革の道筋を作り上げた政治家・与謝野馨氏に対する評価である。

 今回の決定で、10年代半ばまでのプライマリー赤字(基礎的財政収支)の半減という政府目標の達成に向けてめどがつき、国際社会に対するわが国の信用も損なわれずに済んだ。市場もほっと一息というところではなかろうか。

 しかし、今回の決定が、財政再建という具体的な成果に結び付いていくには、今後さまざまな試練を乗り越えていかなければならない。これからが正念場といってもよい。

平成24年度の補正予算は
究極のばらまきの恐れ

 先ごろ平成25(2013)年度予算の概算要求基準が閣議決定され、マスコミの注目を浴びているが、警戒すべきは平成24(2012)年度補正予算編成である。

 政府としては、消費税率引き上げの前にはデフレ経済を脱却しておく必要がある。政治家も次期総選挙に向けて、さまざまな支援業界団体にいい顔をしておきたい。つまり、24年度補正予算は、究極のばらまきになる可能性がある。すでに永田町・霞が関では、本来借金の返済・財政再建に充てるべき23(2011)年度予算の自然増収を財源にした、大規模の補正予算編成が語られつつある。

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森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

 


森信茂樹の目覚めよ!納税者

税と社会保障の一体改革は、政治の大テーマとなりつつある。そもそも税・社会保障の形は、国のかたちそのものである。財務省出身で税理論、実務ともに知り抜いた筆者が、独自の視点で、財政、税制、それに関わる政治の動きを、批判的・建設的に評論し、政策提言を行う。

「森信茂樹の目覚めよ!納税者」

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