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シャープ危機の真因は“製品力”の凋落にあり?
家電大不況のなかでも各社の明暗が分かれる理由

岡 徳之
2012年8月24日
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「シャープは本当に大丈夫なのか?」現在、家電業界の関係者や投資家の間には、かつてない危機感が募っている。主力の液晶テレビや太陽電池の赤字に歯止めがかからず、経営不振に喘ぐシャープは、2013年3月期の最終赤字が2500億円へと大幅に拡大する予想を発表した。足もとでは資本・業務提携を進めていた鴻海精密工業との不協和音も報じられ、コア事業の大リストラが検討されていると言われる。競合他社も家電不況に喘いでいるとはいえ、数年前まで液晶テレビ「AQUOS」が飛ぶように売れていた状況からは、にわかに信じがたい凋落ぶりだ。その背景にはどんな原因があるのか。ビジネスの根幹を成す「製品力」を、ユーザー目線から徹底検証してみよう。
(取材・文/岡 徳之、協力/プレスラボ)

大リストラ計画に資金繰り不安
シャープは本当に大丈夫なのか?

 「シャープは本当に大丈夫なのか?」

 現在、家電業界の関係者や投資家の間には、かつてない危機感が募っている。

 主力の液晶テレビや太陽電池の赤字に歯止めがかからず、経営不振に喘ぐシャープは、8月初旬に2013年3月期の最終赤字が当初予想の300億円から2500億円へと大幅に拡大する見通しを発表した。

 それを受け、同社の株価は急落。同月中旬頃からまたぞろ「シャープ危機」報道が噴出した。同社は足もとで、複写機やエアコンなどを他社へ売却する、スマートフォン向け中小型液晶パネルを製造する亀山工場を別会社化して他社からの出資を打診する、太陽電池の生産を大幅に縮小し堺工場に集約するなど、コア事業の大リストラを検討していると言われる。グループ従業員約5000人の削減、首都圏の営業拠点である東京市ヶ谷ビルや幕張ビルの売却も計画されている。

 そもそも今年3月、シャープは、不振の液晶パネル・液晶テレビ事業を建て直すため、台湾に本社を持つ世界最大のEMS企業・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本・業務提携を行なうことを発表したばかり。このとき、鴻海はシャープ本体に9.9%(約670億円)の出資を行ない筆頭株主になること、堺の大型液晶パネル工場に約660億円を出資して共同運営することに基本合意している。

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「マイナビニュース」「J-CAST」など、主にウェブ媒体での執筆活動を行ない、IT業界全体を俯瞰するマ クロな視点とウェブ技術に特化したミクロな視点で、業界を定点観測している。デジタルネイティブ世代とロスジェネ世代の中間層(1986年1月生まれ)。PRエージェンシー勤務を経 て、2011年より企業広報・ソフトウェア開発を専門とした株式会社tadashikuを立ち上げる。国内大手BtoCブランドのPR業 務に従事し、国際的な広告賞を受賞したデジタルクリ エイティブキャンペーンにも携わった。


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