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どうする!日本のエネルギー

原発反対vs推進の二項対立から脱却が必要
“15シナリオ”のリアルでポジティブな原発のたたみ方
――一橋大学大学院商学研究科教授 橘川武郎氏

【第5回】 2012年8月24日
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「15シナリオ」の2つ考え方

きっかわ・たけお/1951年生まれ。和歌山県出身。1975年東京大学経済学部卒業。1983年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。同年青山学院大学経営学部専任講師。1987年同大学助教授、その間ハーバード大学ビジネススクール 客員研究員等を務める。1993年東京大学社会科学研究所助教授。1996年同大学教授。経済学博士。2007年より現職。『東京電力 失敗の本質』(東洋経済新報社)、『電力改革』(講談社)など著書多数。総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員。
Photo by Masato Kato

 私は、エネルギー・環境会議が提示している「ゼロシナリオ」、「15シナリオ」、「20~25シナリオ」という3つのシナリオのうち、2030年度の日本における原子力発電の依存度を15%程度と見込む「15シナリオ」を支持するものである。「15シナリオ」は、次の2つの考え方に立っている。

 (1)脱原発依存を明確に打ち出し、空理空論ではない「リアルでポジティブな原発のたたみ方」を追求する。
(2)2030年以降については、現時点で原発依存度を決め打ちせず、1、再生可能エネルギー利用の拡大、2、省エネ・節電の徹底、3、火力発電の低コスト化・ゼロエミッション化、を最大限実行したうえで、1~3が不確実性をもつことをふまえ、将来の世代が改めてあるべき電源構成を決定する。

リアルでポジティブな原発のたたみ方

 「15シナリオ」は、「リアルでポジティブな原発のたたみ方」を追求した場合、2030年度の原発存度が15%程度になると見込むものである。「たたみ方」という表現は、すぐにではなくとも、長期的には原子力発電をやめることを意味する。

 なぜ、原発停止を前提とするのか。それは、筆者が、使用済み核燃料の処理問題、いわゆる「バックエンド問題」を根本的に解決するのは困難だと考えるからである。

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政府のエネルギー・環境会議が2030年の原子力比率に関して三つの選択肢を提示して、国民から意見を聞いている。11年の東日本大震災・福島原発事故を経験して、日本の国民は将来どのようなエネルギーミックスを選択すべきが、重大な局面に立っている。各分野の専門家が、日本エネルギーをどうすべきかについて語る。それは我々一人一人が考え、声をあげる問題でもある。

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