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グロービスMBA講座 基礎編

【第7部:ゲーム理論・交渉術】
企業経営とゲーム理論

株式会社グロービス
【第22回】 2008年3月5日
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ゲーム理論とは、複数の当事者(プレイヤー)が存在し、それぞれの行動が影響を及ぼしあう状況(ゲーム)において、各人の利益(効用)に基づいて相手の行動を予測し意思決定を行う場合の考え方だ。ゲーム理論は経営や交渉の戦略を考えるときのフレームワークとして役立つ。

ゲーム理論とは

 ゲーム理論は、20世紀初頭に数学者のフォン・ノイマンと経済学者のオスカー・モルゲンシュテルンによって基礎がつくられた学問だ。当事者が互いに相手に影響を及ぼしあう状況で自分の利益を追求する行動(戦略)は、本質的に室内で行うゲームと同じだという認識から「ゲーム理論」と呼ばれるようになった。

 ゲーム理論は数学の1分野として発展したが、その考え方は徐々に経済の仕組みや企業経営における意思決定、さまざまな交渉のメカニズムなどを理解するうえでも有効なことが認識され、社会科学の多くの分野に多大な影響を与えるようになった。

ビジネスとゲーム理論

 ビジネスの分野でも、ゲーム理論を応用できる例は数多く見られる。ビール業界の価格競争や、自動車業界のモデルチェンジ戦略、取引先との納入価格交渉など、競争相手や交渉相手の行動が自己の意思決定に大きな影響を与えるケースでは、あらかじめきちんとした戦略を立てておくことが重要だ。その際に、ゲーム理論思考は、戦略を体系立てて整理するためのツールとして有効である。

 アメリカではゲーム理論的戦略がより積極的に採用されており、軍事戦略策定の中枢部門や外交政策の立案部門はもちろんのこと、大企業のマーケティング部門や企業戦略の策定部門などにも、ゲーム理論の専門家が所属しているケースが少なくない。

 ゲーム理論な考え方は、「交渉術」においても適宜応用できる。たとえば、交渉の構造を理解しようとするときには、利得マトリクスやゲームの木といったツールを使って交渉を整理してみると、自らの置かれている状況がより明確になるはずである。

ゲーム理論の基本コンセプト

 ゲーム理論の検討を行うに先立って、ゲームに現れる基本的な概念を整理しておこう。ゲームの参加者は「プレイヤー」と呼ばれる。プレイヤーは個人とは限らず、1つのチームあるいは会社がプレイヤーとなることもある。

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