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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

2020年に80兆円の無線市場を創出!
総務省の電波戦略にかかる期待

町田 徹 [ジャーナリスト]
【第83回】 2009年7月10日
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 現在(2009年)の市場規模が25兆3000億円の無線市場を、2020年に3.2倍の80兆4000億円市場に拡大する――。

 新聞はほとんど報じなかったが、総務省の電波政策懇談会は7月3日、野心的な産業育成策を盛り込んだ報告書「電波新産業創出戦略」を取りまとめた。

 麻生太郎政権は「100年に1度」の経済危機の中で、すでに3回も補正予算を策定したが、中身はほとんどばらまき型で、将来に繋がらない一過性の施策だった。

 これに対して、今回の電波新産業創出戦略は、総務省がリーダシップを発揮し、携帯電話やデジタルテレビに代わる新たな成長分野を育成しようというもの。

 具体的には、(1)ブロードバンドワイヤレスプロジェクト、(2)インテリジェント端末プロジェクト、(3)医療・少子高齢化対応プロジェクト、(4)安心・安全ワイヤレスプロジェクト、(5)家庭内ワイヤレスプロジェクト――の5つの重点プロジェクトを掲げている。研究開発の促進、周波数の戦略的な再配分などを通じて、これらのプロジェクトを実現させていくという。

成長が期待される市場は
「アプリケーション」分野

 「電波新産業創出戦略」に対する関心は、非常に高い。総務省が標準化や情報交換を目的として設立したブロードバンドワイヤレスフォーラムに、7月2日段階で、すでに105者が参加を表明しているというのだ。この中には、NTTドコモ、シャープ、住友電気工業、セイコーエプソン、ソニー、トヨタ自動車、日本放送協会(NHK)、パナソニック、東日本旅客鉄道(JR東日本)といった企業だけでなく、東大の森川博之教授ら気鋭の研究陣も含まれている。

 具体的な市場育成では、まず、無線市場を、すでにある通信や放送の「インフラ」、現行の携帯電話やデジタルテレビ放送などの「基本サービス」のほか、今後登場するであろう「新サービス」、それらにも付随する「アプリケーションサービス」の4分野に分類。それぞれについて、2020年に実現する市場規模の目標を掲げている。

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町田徹 [ジャーナリスト]

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。


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