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トップ営業マンの説得術

相手側に自分の「味方」をつくる

テクニック4:相手側に情報提供者を持つ「スパイ・テクニック」

榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]
【第14回】 2008年8月11日
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営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。

 今回は、トップ営業マンたちが実践しているテクニックの4つ目「スパイ・テクニック」について、ご紹介します。

相手の情報を言い当てて
信憑性を強調する

 「スパイ・テクニック」とは、説得者側が二手に分かれて、片方がスパイ役として相手の悩みなどの情報を聞き出し、実際の説得者がその情報を被説得者に伝えて霊感・超能力があるかのように思わせて説得する方法です。

 この方法が有効である理由は、ひとえに被説得者が説得者の信憑性を高く評価することによるものでしょう。相手が知らないはずの情報を指摘されることが何回も続くと、被説得者は説得者を権威ある者として受け止めるようになり、「権威者」に盲目的に服従するようになります。ただし、あまりにも多くのことを正確に言い当てすぎると、被説得者に疑念を抱かれることもあります。

 このテクニックは宗教カルトや悪徳自己開発セミナーなどがよく使うテクニックとして、われわれが発見・命名したものです。テクニックの名称からビジネス・シーンにおいて使うものとしては不適切に思われるかもしれません。しかし、その内容は、営業であれ、企業間交渉、国家間交渉であれ、非常に大切なものであり、現に使われているものなのです。

 実際の営業テクニックとしては、相手側に情報に通じている協力者をつくること、もっと言えばあなたの味方、賛同者をつくることが、このテクニックの応用になります。

 このテクニックは、情報提供者と秘密を共有することから芽生える親近感、一種の仲間意識、また戦友体験効果といったものを生み出すことにもなります。現在は情報化時代ですから、ビジネスの場においてもさまざまな情報に精通して、価値あるサービスやノウハウを相手に提供することは、とても重要なことなのです。

 例えば次のようなケースです。

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榊 博文 [慶応義塾大学文学部教授/社会学博士]

慶応高校から慶応義塾大学経済学部を経て、慶応義塾大学院社会学研究科博士課程修了。米国スタンフォード大学留学。専門は社会心理学。主として効果的な説得戦略、およびイノベーションの効果的な普及戦略に関する研究に従事。主な著書に『説得と影響―交渉のための社会心理学』『日本列島カルト汚染―説得と勧誘の社会心理学』(いずれもブレーン出版)などがある。


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