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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

大リストラ後に残ったのは「シーラカンス社員」ばかり!
敏腕広告マンが危ぶむ不況に勝てぬベンチャーの本質

――ベンチャー系の広告代理店社員・瀬尾雄太さん(仮名)のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第3回】 2012年9月18日
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 連載第3回は、業績悪化でリストラを推し進める広告業界のベンチャー企業に長年勤める男性を取材。彼は、十数年前の創業当初から現在に至るまでの「生き証人」である。この業界でベンチャー企業がシュリンクしつつある現状とその理由を聞き、そこで働く社員が自らのキャリアや生活をシュリンクさせないための心得を提言したい。

 あなたは、このような職場で働くことができるか?


今回のシュリンク業界――ベンチャー系の広告代理店

 電通が発表する「日本の広告費」によると、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)の市場規模は、2005年に3兆7408億円となって以降、6年連続で減少。2008年のリーマンショックを経て、2011年には2兆701億円となった。一方で2005年に3777 億円だったインターネット広告費は、2011年には2倍以上の8062億円に伸びている。

 このように、広告業界における経営環境は、SNSやスマートフォン、電子書籍などの登場により、大きく変化している。新たな有望市場を掴もうと新規参入するベンチャー企業は多い。時流に乗った業者が順調に業績を伸ばしている一方、変化の速さについていけない業者は淘汰されやすい。それは、起業時に世間の注目を浴び、現在は一定規模に成長しているベンチャーについても同様である。


ネットブームにいち早く乗って1人勝ち
名物ベンチャーが足もとで抱える不安

取材中の瀬尾雄太さん(仮名)。ここ1年は、リストラで社員が減り、仕事が増えたという。「40歳をこえて、深夜まで仕事をするとは思わなかった」と漏らす。

 「売上は、700億円前後から半分以下にシュリンク。社員は800人ほどから400人くらいに減った。どうなるんだろうね……。今後は……」

 イベント関連の案件を主力とする広告代理店のクリエイティブ部門で部長代理を務める瀬尾雄太さん(仮名・41歳)は、社内の状況をこう語る。2008年秋のリーマンショック以降、多くの企業がテレビCMやイベントなどを次々と打ち切り、広告業界は苦境に陥った。広告関連業者の倒産件数は、中小を中心に増え続けている。

 この会社は30年ほど前に、現在の社長(66歳)が大手広告代理店の営業を担う代理店として始めたベンチャー企業だった。当時から社長は、下請け的な扱いに不満を持っていた。大手業者と中小業者の二極化があり、いったん「下請け」になると、なかなか抜け出せない構造があった。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

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