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三谷流構造的やわらか発想法

軍略に学ぶ
~アメリカ軍 失敗の本質

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第43講】 2012年9月18日
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アメリカ軍の成功と失敗から
現代戦への示唆を得る

 野中郁次郎博士らによる『失敗の本質』(1984年)は、第二次世界大戦における日本軍の軍略上の失敗を詳細に研究し、そこから近代組織への示唆を導き出した名著です。最近、その入門版(?)が出て人気を博しています。

 戦争とは、この人間社会における最大規模の悲劇であり「競争」です。そこから膨大な学びがあることに、間違いはありません。

 ただ、『失敗の本質』の舞台は約70年前。インターネットどころか、ジェット機すら稀な時代です。これに『アダプト思考』(2012年、ティム・ハーフォード)を組み合わせて、現代戦において本当に役立つ示唆はなんなのかを、考えてみましょう。

 まず、この数十年の日米両軍の成功・失敗とその理由の流れはこうなります。


① 第二次世界大戦 後期:日本軍 大失敗(9つの本質的理由=Aから)。
アメリカ軍 成功(左記の裏返し)
② ベトナム戦争:アメリカ軍 大失敗(*1)(ほぼAと同じ理由から)
③ 湾岸戦争:アメリカ軍 大成功(*2)(圧倒的情報力と航空戦力で)
④ イラク戦争 統治前期:アメリカ軍 大失敗(ほぼAと同じ理由から)
⑤ イラク戦争 統治後期:アメリカ軍 成功(“ペトレイアス戦略”によって)

 
*1 アメリカはベトナム戦争に1964~72年の9年間で約5000億ドル(エール大学 ノードハウス教授試算による。現在価値では230兆円)を費やした。
*2 アメリカは湾岸戦争に1990~91年で761億ドル(現在価値で9.5兆円)を費やした。ベトナム戦争時の24分の1。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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