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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

その後の『社会貢献でメシを食う。』は?
見えてきた「CSR4.0」への2つの方向性

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第75回】 2012年10月9日
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 おかげさまで拙著『社会貢献でメシを食う。』が4刷りとなった。この本が発売されたのはちょうど2年前のことで、こうやって増刷を重ねることができたのも、多くの支援のおかげである。感謝したい。

 たとえば、この本を読んだ一橋大学や慶應大学大学院の学生たち。彼らは自分たちのキャンパスでセミナーを開いてくれた。また、企業や中央官庁の関連部署で必読書に指定していただいたりもした。こうした多くの方の共感と支援にうれしく感じたが、書き手として最もうれしかったのは書店員からの評価をいただいたことだ。

 それは、今年3月に閉店したジュンク堂新宿店の店員さんたちからのもの。彼らが閉店前に「最後くらい、自分たちが本当に売りたい本を売ったっていいじゃないか!」というフェアを開催し、その中に拙著も加えていただいたのだ。

 また、10月1日からは、ブックファースト渋谷文化村通り店にて、「これからの働き方を考える」というテーマでフェアも開催されていて、拙著もそのラインナップに選ばれている。ここでもうれしいことに、書店員さんが選んでくださったそうだ。今月いっぱい、10月31日まで開催されているので、渋谷にお立ち寄りの際はぜひのぞいてみてほしい。

進化を続ける社会貢献業界

 この2年で社会貢献業界も大きく変わったが、この本が伝える本質的なことはまだまだ古くはなっていないと自負している。しかし、ケースとして本書で取り上げたなかには、大きく成長した社会起業家や団体も多い。

 途上国の少女の夢を叶える「ドリーム・ガールズ・プロジェクト」を推進する温井和佳奈さんは、「Asia Social Innovation Award 2011」を受賞。第59回で紹介した「筆者が勝手に選ぶ社会貢献アワード2011」の大賞にも選ばせていただいた。また、向田麻衣さんが主宰する化粧品を通じた社会貢献活動「Coffret Project」も着実に大きくなっている。

 ミス・キャンパスの社会貢献団体「Sweet Smile」も活動を続けており、この9月には「2011年ミス東洋大学」の相澤遙佳さんが3代目代表に就任した。相澤さんは初代代表の山崎ひな子さんに憧れて、Sweet Smileのメンバーになるためにミス・キャンパスになったという。学生団体は継続が難しいが、このように「想い」がつながっている姿を見るとやはりうれしくなる。

 CSRを巡る状況も大きく変わった。この本では、「CSR3.0」=「本業とCSRの統合」という概念を提唱した。当時はわりと新しい概念を打ち出したつもりだったが、たった2年でCSR3.0はメインストリームになりつつあると思う。CSR3.0の代表的施策として紹介したBOPビジネスも、いまでは大企業から中小企業まで、次なる成長戦略として多くの企業が取り組んでいる。また、昨年はマイケル・ポーターがCSV(共通価値の創造)という概念を打ち出し、欧州委員会はヨーロッパ経済成長の核としてCSVを最大化すると政策決定した。僭越ながら、筆者からすればCSR3.0とCSVはほぼ同義である。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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